一から起業した会社を上場させる事無く、「金融工学」を活用して上場企業を手中に収める方法とは?
ビジネスが上手く言った延長で、会社を上場させるとしよう。
自分が興した会社を上場させることとは、普通に考えれば経営者にとって『夢の実現』と言っても過言では無いと思う。
けれども、会社の上場をさせる事のエネルギーは生半可な物ではないことは、上場を経験していない経験者でも想像はつくと思う。
ここで僕たちは改めて冷静に考えなければならない。
会社を上場させることに伴う、膨大なエネルギーの浪費に見合うだけの、メリットが本当にあるのかどうか?
これに関しては、「金融工学」を理解することで、その答えを導き出すことができるので、改めて考察したい。
上場した創業社長「個人資産数100億円」の裏側の悲劇
自らが創業した会社を上場させて手に入れられるインセンティブは一体なんだろうか?
「会社を上場させて個人資産数100億円」
・・・などと、新聞やニュースなどを通して耳にする機会があるが、ここには厳しい現実が待ち構えていること、僕たちは知らなければならない。
それは・・上場企業の社長になって「個人資産100億円」の状態になれたとしても、実際に、100億円のキャッシュを手にしている人はほとんどいないという事実を。
実は、上場企業の社長は、自分の株を自由自在に売れない。
5%以上の株の保有者は、大量保有報告書が必要だし、何より投資家を背負った上場企業の社長ともなると、自分の会社の株を、売り逃げすることはできない。
「個人資産100億円」などと言われても、株を売って現金化できないのであれば、まさに絵に描いた餅という事なのだ。
せいぜい出来るとすれば、銀行から自分の株を担保にお金を借りる程度。ところが銀行から借りた場合、株価が下がってしまったら、その分は追証を迫られてしまう。
だから、せっかく上場しても、株を売れずに株担保でお金を借り、経営環境の変化によって株価が下がると・・・残るのは借金だけになってしまうのだ。
こうして、上場した社長さんの多くは、最終的には大きな借金を背負って、沈んで行くという現実がある。
「昭和の時代」会社というものは、寿命が約30年と言われていた。
では、現在では一体何年くらいの寿命があるのだろうか?
なんと、今では、平均でたったの5年と言われているらしい。昔は30年ももったのに、今では平均5年しかもたないらしいのだ。
情報が多様化した時代。会社にとって経営環境の変化というものの機会は非常に多くなった。
少しでも経営環境が変化すると資本価値というものはあっという間に変わってしまうことがある。
それによって、上場企業を数億円、場合によっては一億円以下で買収できてしまうのだ。
僕たちでもできる上場企業を手中に収めること
現在、日本では、法律的に禁止されてしまったが、「MSCB」など、株価を下げて転換社債の株式交換比率を高めるような、悪質な上場企業乗っ取りのテクニックが一世を風靡した時期があった。
しかし、リーマンショック以降は、わざわざこのような手口を使わなくても、一般的な買収工作で上場企業を少ないお金で手に入れることは不可能ではなくなった。
何十億円の売り上げを作り、血のにじむような努力をして、約3か月間はほとんど眠れないような上場直前期を過ごし、やっとの思いで上場しても・・・現金を獲得することなく、散っていく経営者たちが実に多い。
けれども僕たちは、「金融工学」を駆使することで、本来なら天文学的確率でしか獲得できない上場企業のオーナーというタイトルを、ほんの数千万円、数億円を集めてあっさりと手に入れることができてしまうのだ。
リーマンショック以降、一億円以下で買収できる上場企業は十数社以上あると言われていた。
ものすごく苦労をしてようやく手に入れることが出来るものが、「金融工学」を理解している人間からしたらあっという間に買収し、手に入ってしまうということだ。
会社を上場させるメリットを改めて考察する
僕たちが会社の社長だったとして、会社に上場のチャンスが巡ってきたら、どういう結論を導き出すだろうか?
そもそも、上場をさせる事のメリットとはなんだろうか?
上場する事の最大のメリットは『投資ビークル』としての機能を獲得することと言われている。
たとえば、上場後にM&Aをして、元々実体のない会社でも後付で実体を付けたという会社が沢山あることが分かる。
有名なところで言えば、誰もが知っている「ライブドア」なんかは良い例だ。
当初「オンザエッジ」という会社で、仕事内容で言えば、ホームページの作成など有限会社レベルの会社がやるような仕事。
そして、上場したあとで市場からファイナンスをかけ、I.T.ビジネスにおける最も重要な経営資源の一つ「ゲートウェイ」部分に当たる「ライブドア」というポータルを買収し、社名を変更した。
同じように、「楽天」も「インフォシーク」というポータルを買収している。
I.T.ビジネス系の会社における最大の経営資源は、「トラフィック誘導の力」であり、ポータルやゲートウェイビジネスというものが、I.T.業界の中で最も価値のあるもの。
当時の「オンザエッジ」や「楽天」がどれだけの価値があったのか?
I.T.が未知の分野だから上場できたレベルなのでは??今であれば、かなり上場は困難な会社だったはず。
ともあれ事実として「オンザエッヂ(ライブドアは上場廃止)」も「楽天」も、上場を果たしたわけだが・・・
上場し、株式市場を通してお金をあつめ、「ライブドア」や「インフォシーク」を買収し、集客するという力をポータルとして身につけ、最後は金融業界で稼ぐ。
今日現在、「ライブドア」、「楽天」の売り上げのほとんどは証券を含む「金融」であることを、僕たちは冷静に把握しなければならない。
「楽天」モールの方も、たしかに流行っているかもしれ無いが、「楽天」の収益のコアはどこかといえば、ほとんどが金融なのだということに驚かされる。
「ライブドア」や「楽天」のように、例え会社の内容が希薄でも、上場さえして内容のある会社を買収できれば、勝ち組と言われる「投資ビークル」としての力。
企業が上場後に得られる最大のメリットと言える。
未上場企業は儲けを過少申告したがり、上場企業は儲けを多く申告する
税金に対する心構えを見ると、未上場企業と上場企業の思考回路が、全く別のベクトルに進もうとすることが理解できる。
未上場企業の社長は、なんとか、儲けを過少申告して、税金を少しでも安くしたいと考えがちだ。
反対に、上場企業の社長は、なんとか儲けを多く申告して、税金を少しでも沢山払いたいと思っている。
どちらも、日本国内で営む経営者でありながら、真逆の方向に進もうとしている。
なぜ、上場企業の社長は、儲けを多く申告したががるのか?
一株当たりの利益に、人気倍率(PER)をかけた数値が自己の株式の価値に反映され、自分の株の資産価値を上げるということにつながるからだ。
たとえば、自分の資産として株を半分持っている社長さんであれば、1億円の税金を払えば、自己資産が一瞬で、5億10億のUPにつながる仕組み・・・。
この部分を、僕たちは理解しておかなければならない。
そのために、上場企業では、粉飾決算などという、未上場企業では考えられない「無理に税金を払う」という行為にもつながる。
- 会社の売上・利益を上げる。
- 上げた売上・利益から気持ちよく税金を払い、会社の価値を高める。
- 高まった会社の価値で、有利なお金を市場から集める。
- 集めたお金を内容のある企業の資本に投入する。
- 資本を投入した企業の価値によってまた増収増益を狙い、資産価値をさらに高める。
それが上場企業にとって、最も価値の高いお金の使い方である。
普通のお金と資本というお金の価値の違い
ところが、今、こういう流れに大きな変化が表れている。
上場した会社にも、資金があまり集まらないような状況が往々にしてあると言う。
逆に言うと、上場した企業に資金が集まらないとどうなるか?
上場しても、あまりメリットが無いということになり、上場を狙うベンチャーが減り、すでに上場している企業も上場の廃止を計画したりする。
それでも頑張ろうとする上場企業であれば、
僕も役員の一人として参加している、約450名全員が役員の秘密結社「藤原ヘッジファンド」のような実績のある「ファンド」に「資金調達をして下さい!」と、情報を持ってくるようになる。
その要望に対して、応えることで、法律・コンプライアンスを100%遵守し、「ファンド」を運営している「藤原ヘッジファンド」のようなファンドには、最先端の儲け話がどんどん集まってくるようになるのだ。
上場企業のファイナンスの場合・・・普通は、有利発行の枠は9割と言われている。
実質的に東証がどこまで認めるのかは分からないが、判例では8割くらいまでは有利発行を認められているのが確認される。
しかし、実際にはその後に、コンサル料などの名目で、「藤原ヘッジファンド」のような「ファンド」を運営しているお金の出し側が、+2割(計4割)くらい取っていってしまうのも珍しくない。
例えば、ファイナンスが100万円あったとしたら40万円天引きされてしまうというわけだ。
それでも、ファイナンスを求める声は後を絶たないのが現実である。
言い換えれば、それほど現状では、お金を出す人たち側の力は強いのだ。
上場した社長の仕事の9割は、IRと言われている。
ファンドの運営者や金融機関にお辞儀をして歩くのが上場社長の仕事のほとんどになり、それ位、「お金をビークルに集められる力」の価値が高まったことになる。
以上に挙げたことを把握した上で、上場企業の100%を買収する必要もなく、51%買収できれば、上場企業を僕たちの企業にすることも不可能では無い。
一から会社を興こし、ビジネスを成功させ、会社を上場させる・・・などという、
天文学的な確率での奇跡を期待しようとすること自体が無謀であることが分かり。これからの僕たちは、「金融工学」を駆使した方が、利口であることが分かる。
こういう、ディープな部分を語り合うことができるから、「藤原塾」の塾生として、ドクターサイの下「金融工学」の考察を深めることは非常に面白いわけだ。
あなたは借金が怖いですか?
私は死ぬまでに<1,000兆円>の借金をすることが夢なのですが…