僕たち76世代の人間が子供から大人へと生まれ育った「昭和の時代」。特に1970年から1990年の20年間。
日本国内での不動産投資は、投資に臨んだ多くの日本人に、安定したインカムゲインと大きなキャピタルゲインをもたらした。
- インカムゲイン・・・家賃としての収入。月々のローン返済額を上回る家賃収入。
- キャピタルゲイン・・・不動産価格上昇による売却益。
とくに都市部であれば、ある一定年数貸し続け、その後売却するだけで、ダブルで儲けることができた。
当時の日本は、
- 人口の増加。
- 継続したインフレ。
- 急スピードで整備され続けるインフラ。
不動産投資で勝てる3要素を、全てクリアできる状況下。サラリーマンとして毎月安定した収入があれば、銀行もすぐに金を貸してくれる。もともと、金融資産をそれほど持っていない者でも、チャンスが与えられる。
僕たち日本人にとって不動産は、そんなローリスク&ハイリターンの投資だった。
生命をかけた投資への変貌
一体いつから状況が変ってしまったのだろう・・・。やはりバブル崩壊後だろうか?
不動産における、日本の状況は一変。いつしか不動産投資は、生命をかけた超ハイリスク&超ローリターンの投資へと変貌を遂げてしまった。
1990から2010年の20年間・・・。
- 日本の人口は減少傾向。
- 金利は下がりデフレが進む。
- すでに整ったインフラ。
不動産物件の増幅しすぎた供給に比べ、需要が激減する状況下。空室物件が増え続ける。
かつてインカムゲインをもたらしていた家賃収入が高級物件から順番に見込めなくなり。物件価格が値上りもしなくなり、キャピタルゲインをもたらしていた売却益も高級・安価物件共に見込めなくなり。投資用不動産物件の所有者たちに残されたのは、利益などではなく、長期ローンを組んだ末の多額の借金。
最後にとどめをさすかのような、日本特有の「リコースローン」。
空室続きで家賃収入が見込めないから・・・と、大赤字覚悟のタダ同然で売却したとしても、ローンの返済残高は借りた本人と連帯保証人にずっとついて回る。
「リコースローン」。・・・これが多くの悲劇を生んだ。高額物件を複数所有していた者たちは、叩きに叩かれたボロボロの価格でなんとか売却。
それでもローン返済の義務だけは残り続ける。急激に悪化するキャッシュフローで首が回らない。連帯保証人として立ててしまった、親戚や親しい友人に迷惑だけはかけられない・・・。
その結果、多くの者たちが、自殺により「命」を絶つ決断をした。
なぜなら、たいてい本人は不動産購入時に保険に加入させられる。「命」を絶った場合、ローンの呪縛から解放され、親戚や友人に、迷惑をかけずにすむからだ。
日本の「リコースローン」が生んだ、不動産投資にまつわる悲劇のストーリーが多発した。
ごくわずかに存在した不動産投資の勝利者たち
確かに、バブル崩壊後にも利益を得た者たちはいた。最初から、キャピタルゲイン(売却益)を狙わず、インカムゲイン(家賃収入)だけを、あてにして投資をしていた人たちだ。
高額物件ではなく、家賃は1室10万円/月以下。地図を広げると、駅を中心とした高額物件が立ち並ぶ場所から、真逆の対角線上の方角・・・比較的人気のない場所にある、小さな規模の低額物件に投資をしていた者たちだ。こうした条件が整う、「アパート」へ投資していた者たちである。
1990年前後を境に、高額物件に住めなくなった者たちが、あるいはファミリーを持たない「独身貴族」たちが、このような家賃10万円/月の物件に流れた。
当然、キャピタルゲインは絶望的に望めないが、インカムゲインは比較的安定。月々でみるとローンの返済額を上回る、安定した収入を得ることができた。
地道に小さく小さく投資をしていた者たちだけが、1990年から2010年の20年間、なんとかプラス収支で乗り切ることができた。
ただし、そんなスタイルで不動産投資をしていた者たちの割合は、全体からみれば小数点以下のパーセンテージ。まさに「宝くじ」の当選率と紛わんばかりの、ごくごくわずかな割合の者たちだけ。
当然である、「昭和の時代」の不動産投資というものはそもそも、インカムゲインの発生は結果論であって、みんなキャピタルゲインだけを狙って投資をしていたのだから。
結果、多くの者たちは、資産の大半を失ったばかりか、現時点でなお、借金の返済に苦しみ続けていた。
僕たちが生きるこれからの日本。不動産投資で利益を上げられる者たちは、全体の小数点以下何パーセントになるのだろうか?
おまけに、日本政府はとうの昔に兆円規模の不動産市場に目をつけ、買って税金、貸して税金、売って税金と、今や「税金」完全包囲網も布陣済みだというのに・・・。
せめて、日本国内で不動産投資に臨んでしまった彼らのローン返済が、何ごともなく無事に完了することを願うばかりだ。
基本に立ち返った
僕たちは、これから先の時代、どうやって不動産投資で稼ぐことができるのだろうか?
日本で、駅近家賃10万円/月以下の、小型物件にのみを購入し、インカムゲインだけを狙った投資を地道に続ければいいのだろうか?
多忙な普通のサラリーマンたちに、そんな優良物件を探せる時間はあるのだろうか?
そして、なによりもそんな物件に巡り会える、強靭なる根性か、運はあるのだろうか?
僕たちは今、不動産投資というものを、もう一度基本に立ち返って考え直さなければならない。不動産投資の基本。先人たちから学ぶ、この投資で勝つための基本。
本来、不動産投資の美味しいところは、インカムゲインとキャピタルゲインが、ダブルで見込めること。
- インカムゲイン・・・家賃としての収入。月々のローンの返済額を上回る家賃収入。
- キャピタルゲイン・・・不動産価格値上りによる売却益。
そして、不動産投資の本来の醍醐味であるダブルインカムが見込めるのは、次の3要素が揃っている環境下。
- 人口の増加。
- 継続したインフレ。
- 急スピードで整備され続けるインフラ。
この基本に立ち返ってみた。これから先の時代に理想的な不動産投資はどういうものなのか?部屋のカーテンを全て締め切り、部屋の電気を消して、真っ暗闇の中で独り静かにじっくり考えた。
不動産投資の基本に立ち返り、考えた時、これからの時代で、勝てる不動産投資は、どうあるべきなのか・・・。
その答えを追求し続けることで僕たちはひとつの答えにたどり着いた。
その答えが、海外で不動産投資を行うということ。日本地図ではなく、地球儀を持ち出し、基本の条件が整う国・場所にステージを移動して、不動産投資をすることという結論にたどり着いた。
これが、僕たちが現実世界できる「タイムマシン」に乗って投資をする方法だったのだ。
僕たちの生きる時代に「タイムマシン」は出現しない。。
かつて・・・映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)』を観る度に妄想に浸ったことがある。
それは、「もしも、タイムマシンが実在したとしたら、ミライへタイムスリップをして、全ての結果を見て来てから今の時代に戻って投資をすれば、楽して億万長者になれるのに・・・」というかなり安易な妄想だ。
元々僕たちは幼いころから『ドラえもん』によって、みらいを夢見た世代。少なくとも1980年代頃までは、21世紀にはそういうみらいがやって来るのだと信じて疑わなかった。
けれども、さすがに2010年を過ぎても大した進化の無い世界を認識することで、少なくとも僕が死ぬまでは「タイムマシン」は実現不可能だと悟った。
ループ状の空中ロードを颯爽と駆け巡るオートドライブ式エアカー。胸部がピコピコ光るピチピチスーツで、無重力空間エレベーターで空中庭園に行く人たち。前回の日本一時帰国の時に一つも発見できない。
・・・そのレベルとまで行かなくとも、空中スケボーや、個人自家用の東京ヘリポート位なら、既に実用化されていてもよかったはずだ。
あの頃の僕たちが妄想にふけっていた「みらい」。「昭和の時代」誰もが信じて疑わなかった21世紀の姿。今日、既に21世紀(2001年~2100年)になって10年以上もゆうに経過しているのに・・・どこにも見当たらない。
たとえば僕が昔一番好きだった街、「横浜みなとみらい21」。過去、高さ296m日本一高いビルの「横浜ランドマークタワー」筆頭に、『21世紀にふさわしい未来型都市』を目指して開発スタートした。
僕は、生まれも育ちも横浜だったこともあり、この超近代都市にどこか誇りのようなものさえ感じていた。東京とか大阪とか、まとまりのなさそうな他の地域は実現化できなかったとしても、「せめて”ココ”だけは”みらい”をやってくれるはずだ」・・・と。
本来なら・・・「パパが育ったあの時代にはなー。ここに日本一高いビルがあって、ここに大きな観覧車があって、沢山のビルが立ち並んでたんだよ。今は全部こんな感じで空中タウン化しちゃってるから、あんまりイメージわかないと思うけど!」・・・そんな感じで、昔話を聞いてくれている子供たちに、日本の進化・・・横浜の進化の凄さというものを、オートドライブ式エアカーの後部座席に座ったまま『よこはまみなとみらい21ループ』を通りながら、得意げに語っているはずだったのに。。。
前回、家族を連れて「横浜みなとみらい21」に訪れたのだが、「昔パパが育ったあの時代にはなー。・・・って、全く何も変わってないじゃん!」
「みらい」の到来を実感し始めたあの頃の僕が見た風景と、全く同じ・・・本当にそのままだったのである。
しかも、未だに車は自分で運転しなければならないし、タイヤは4輪とも、全てしっかりと地面を踏みながら回転してくれている始末だ。。。
未だにタワー系か。。。_| ̄|○
さらに、前々回、日本に一時帰国をするにあたり、僕の娘たちが一番楽しみにしていたのは、海外で視聴できる日本の番組「NHKワールドプレミアム」や、「学研」系の月刊誌に情報掲載されていた、東京都墨田区押上にある、高さ634mの「東京スカイツリー」を観ることだった。
「東京スカイツリー」確かに娘たちは喜びはしゃいでいた。でも、「東京スカイツリー」の実物を目の前に、飛び跳ねている娘たちを見て、僕は非常に悲しかった。
なぜか、娘たちを騙しているような感覚に陥ってしまったからだ。
21世紀の今日、僕が彼女たちに見せることが出来た、21世紀の近代科学、近代建築学の結晶。日本一とも言える、最新鋭を誇る人工建造物が、未だに地上からそびえ立つ類のモノだったのだからだ。
それは、誰もが21世紀に訪れる「みらい」に夢見たあの頃・・・昭和33年(1958年)からずっと東京都港区にそびえ立っている、332.6mの高さを誇る「日本電波塔」こと「東京タワー」と、本質的には何ら変わらないモノ。
浮遊建造物では無いどころか、無重力エレベーターも存在せず。さらには、「東京スカイツリー」の目玉とも言える、「東京ソラマチ」が、310店舗分あるとは言え、単なる「昭和の時代」からあるショッピングモール系。
しかも、「21世紀」に「みらい」になり切れなかった事を誤魔化すかの如く、あえて「昭和の時代・レトロテイスト」を打ち出した「新・東京下町風」という始末。
この瞬間、僕たち「昭和の時代」を知る日本人は、「みらい」に対して完全敗北をした。本当は僕たちが昔予測していた「みらい」とは全く違う今。陸から普通にそびえ立つ、おニューの人工建造物を観て喜ぶ娘たちを見て、大人として騙しているかのような錯覚に陥ってしまったのだ。
せめて、「超・科学文明のなせる技」・・・とまではいか無かったとしても、634mの人工建造物を3棟程立てて、その最上階に、シンガポールの「マリーナベイサンズ(Marina Bay Sands)」よろしく、「宇宙との交信」をイメージさせた、トライアングル形態の空中庭園上に「ショッピングモール」を造り、「ソラマチ」として欲しかった。(日本の国家予算をかけたとしても。)
そうすれば、その豪快な「みらい」っぷりに、新たなる「みらい」への夢を垣間見た、僕たちの子供たちの世代が、僕たちの知る本来の「みらい」を、次の世代で実現化させてくれるのかもしれないのだから・・・。
同時に、タイムマシンの登場などあり得ない現実を知り、「タイムマシンでみらいに行って帰ってこよう計画」など、机上の空論どころか、漫画上の空論だという現実を理解せざるを得なかった。
だから僕たちは「みらい」に夢をはせることを諦めた。あくまでも過去を振り返り、過去にもっとも急上昇を魅せた、日本の「昭和の時代」に絞る形で、「日本の昭和の時代の再来」だけを追い求めることにしたのだ。
「日本の昭和の時代の再来」を追い求めた結果たどり着いたのが海外という舞台。
その中でも今日時点において、「日本の昭和の時代」を彷彿させることができる一つの国にたどり着いた。
それがアジアの「フィリピン」という国だった。
日本の「昭和の時代」を彷彿させる「フィリピン」
1970年から1990年の20年間を中心に、世界中を驚愕させるスピードで急成長した日本。
- 人口の増加。
- 継続したインフレ。
- 急スピードで整備され続けるインフラ。
この3つを「高度成長期」に全て経験し、その結果、世界中が認める「先進国」の仲間入りをすることができた。
しかし今の日本は、すでに、これ以上の飛躍的な成長は難しい。
けれども、日本から飛行機に乗って「フィリピンへ」。すると、かつての「昭和の時代」の「高度成長期」を彷彿させる様子で、急成長真っ最中であることが分かる。
- 人口の増加。
- 継続したインフレ。
- 急スピードで整備され続けるインフラ。
「昭和の時代」の日本が経験したことと、同じようなことが現象として起こっている。
現地で町並みを見ていると「昭和の時代」をもう一度見ているような印象を受ける。「フィリピン」において僕たち日本人は、みらいから来た人たちに例えられる。
「高度成長期」を経て、これから「フィリピン」がどのように変化を遂げて行くのか?「昭和の時代」を生まれ育った僕たちは、よく知っているのだから
高度成長している国に住む人たちからすれば、僕たちの知識・経験は、まさにみらいから持ってきた叡智に他ならない。
だから、かつて日本で起こった現象を参考に、今、当時の日本と同じような現象が実際に起こっている「フィリピン」で投資ができれば・・・そう考えた。
ビジネス、不動産投資、株式投資・・・様々なアイディアが浮かんできたが、
そこでまず最初のステップとして集約したのが「不動産」。
日本国内での不動産投資は、投資に臨んだ多くの日本人に、安定したインカムゲインと大きなキャピタルゲインをもたらしたのだから。
「昭和の日本」と同じことを「フィリピン」で行うことで、同じような結果を得られるはず。
こうして僕は、旅仲間のJ(ジェイ)と共に、「フィリピン」にお金を持ち込む形で、本格的に「不動産投資」を開始したというわけだ。
僕たちが、これから先の時代に、これからはじめて、新たに大きく稼ぐことができる手段であるという確信と共に。
追伸
なぜ僕たちの生まれ育った日本が「不動産投資」における投資対象国になり得ないのか? この理由は「国土交通省」から正式に発表されている資料、『国土の長期展望に向けた検討の方向性について』からも、実数ベースで読み取ることができる。
今日時点では、2013年4月4日に日本銀行が発動した「量的質的金融緩和」の最中なので、不動産価格は上がっているが、これは買い時ではなくて、売りどきである。
これから、「不動産仲介業者」が、「儲かるよ!」を謳い文句に、頻繁に「不動産投資セミナー」を開催すると思うが、それは、自分たちが仲介して儲けたり、元々持っている物件を売ったりするためのアクティビティ。
自分たちよりも経験・スキル・知識の無い人たちに対して、半ば騙すことで勝ち抜けるためのアクティビティとも言える。
僕たちは現実を直視しなければならない。
「日本国内の不動産投資」・・・ビザ緩和の問題、文化的な問題、外国人の受け入れ体制が進んでいない日本国内において、人口減少・高齢化は致命的。
短期的には回っていても、長期的視点においては、本当に危険な状況になってしまうことは、、、たとえばこの資料からも読み取れる。
『国土の長期展望に向けた検討の方向性について』の34ページに「住宅需要は将来的に減少する」と明記されている。
資料『国土の長期展望に向けた検討の方向性について』、参考までにダウンロードURLを掲載させて頂く。
※『国土の長期展望に向けた検討の方向性について』(PDFファイル・サイズ7.96MB)
あなたは借金が怖いですか?
私は死ぬまでに<1,000兆円>の借金をすることが夢なのですが…