ファーザーとのゴルフ合宿初日、時間と場所の自由を持つ、プラチナ修羅たちと共に参戦。
12月、1月、2月・・・と3ヶ月間連続で、ファーザーと18ホールご一緒させて頂く贅沢な環境の中。
僕たちのプレースタイルには、徐々にファーザー流の型がインストールされていく。
シンガポール謁見ディナー後、日本に2週間、再びシンガポールに戻り、バンコク入りしたこともあり、僕にとっては実に約3週間ぶりのゴルフ。
シンガポール謁見直前、ジョホールバルでファーザーに教えて頂いた、「型」を思い出しながら、プレイしようとしたものの。ボールをゴルフクラブで打つ感覚そのものが、まったく分からなくなってしまった。
たかだか3週間程度空いてしまっただけで、なんという情けなさ。
ファーザーの立ち振舞を見ながら、感覚を取り戻すことに専念する。
途中売店が出現する度に、ファーザーがシンハビールをごちそうして下さった。
炎天下の中、汗をかきながらのシンハビールはのどこし爽快。
今、この瞬間そのものが、人生のシアワセである。
ちなみに、ここのキャディさん方は、ビール好きが多いようで、
ファーザー:「あなたたち、何飲みたい?」
キャディさんたち:「シンハビール!」
なんと、ほとんどのキャディさんが、ビールを選択。
サトシについてるキャディさんに至っては、はじめから魔法瓶の中に、氷とビールを入れて来ていた。
業務中にキャディさんがビールを飲んでる光景ははじめて見た。
シラチャのキャディさん方は、酒豪揃いなようだ。
深夜2時まで室内ゴルフレッスン
ディナー後に僕たちは、ファーザーのお部屋へ。
ウィスキー水割りをチビチビなめながら、ファーザーがそれぞれのゴルフプレーの修正点の「要」をご指摘される。
ファーザー:「孔明は、ここを曲げて、振ってみなさい!」
一日中アルコール漬けで酔っ払ってる状態であるが、スタンドアップ。
ファーザーの部屋の中で、各々が指摘を受けた箇所の修正を意識しながら、スイングの練習。
ファーザーはじめ、みんなが、こうしたほうが良い、ああした方が良いと指摘。
僕からすると、「え?このスイングで良いのですか?」
今までの僕の常識とは違うスイング方法だったこともあり、戸惑いながらも、ヒュン。ヒュン。スイングを繰り返す。
特別特訓は深夜2時半まで続いた。
部屋に戻った後も僕は、タオルを使って、100回ほどスイングをしておいた。
ボールが重く感じる、ボールが空を斬る
ファーザーとのゴルフ合宿2日目。
初日同様、ファーザー含め5人で臨む18ホール。
ファーザー:「孔明、これを使いなさい!」
ファーザーがカバンの中から取り出したのは、白いピューマのハンドグローブ。
ファーザー:「素手じゃ逆にグリップを強く握るだろう。」
・・・ということで、左手に白い手袋をはめることにした。
「こうめいは、おうじゃの手袋を手に入れた。おうじゃの手袋を装備した。こうげき力が30上がった。」
ドラクエで言うと、伝説の勇者ロトの防具を装備した感触があった。
ファーザー:「昨晩練習した通り降ってみられ!」
孔明:「は、はい。ありがとうございます!」
ファーザーから教わり、仲間たちにも確認してもらったスイング法でボールを打ってみた。
すると。。
バシュっ!
ゴルフクラブを握る手に、これまで体感したことの無い、感触がほとばしった。
ドラゴンクエストダイの大冒険、アバン流刀殺法のひとつ。
心の眼で敵を捕らえ、光のとお気でこれを切り裂く必殺技「空烈斬」を放ったイメージ。
孔明:「ク、クラブで打つボールが重く感じました!」
これは、僕が打ったのか?
ボールはなんと、前方遥か遠くに加速して行く。
なんと、軽くスイングしたにも関わらず、250ヤード超え。
サトシ:「孔明さん、フォームめちゃくちゃ綺麗でしたよ(ニヤリ)」
「地下」の中で、シングルプレイヤーに最も近いイケメン修羅のサトシが、キラリ光る白い歯を見せウィンクで、親指を立ててグーしてくれている。
その後も、快進撃は続いてしまう。
ドライバーで250ヤード超えの領域が当たり前になり、7番ウッドでも、220ヤード飛んでしまう。
次第に僕は、ファーザー流スイング法の威力に酔いはじめた。
もっと先へ、もっと遠くへ、
ファーザー:「なんだ孔明、今の、そりゃもうプロの音だぞ!教えちゃいかんやつに教えたかもしれん。」
ファーザーのヨイショのお言葉によって、アドレナリンのようなものが、全身を駆け巡り、士気が高まる。
次第に僕の目的が、ゴルフをプレイするというよりは、スイングして、ボールを飛ばしまくるゲームへと目的が変化を遂げていってしまった感もある。
キャディさんがカウントしていたスコアは108位だったが、それ以上に、両腕に、全身に、快感が残り続けている。
帰りの送迎車の中でも、
孔明:「ここでドヤらないように、気を静めて謙虚に!」
・・・と、自分で自分を戒めながら、右足の親指を見て、興奮を抑えようとするのだが、どうしても、口元のニヤケが止まらない。
ああ、僕はどうしてしまったのだろうか?
これがみなさんがゴルフにハマる理由なのだろうか?
ゴルファーになってから、1年と2ヶ月、僕はとうとう、奥義を体得してしまったのだろうか?
その日の夜の、シンハビールの味も格別だった。
海の底へ斜めにゆっくりと沈んで行く
定期ミーティングもろもろが入っていたこともあり、一日だけ中休みを取った後、ゴルフ合宿最終日。
アクニンさんも参戦して、6名体制で18ホールスタート。
1チーム目:さとし、PZR、孔明
2チーム目:ファーザー、アクニン、マーベ
の2チーム体制で挑む。
「さて今日も、ファーザー直伝の「空烈斬」を炸裂させるか!」
・・・と意気込んで臨んだ、第一ホールティーショット。
・・・いきなりダフった。
飛ばそうとして、力んでしまったのだろうか?
ダフったものの、ボールはそれなりに飛んだ。
「まあまあ、初球だから次!次!」
しかし・・・
その後、「空烈斬」が発動するどころか、そもそもクラブが、まともにボールに当たらない。
ドライバーでのティーショットにも関わらず250yrdどころか、レディース以下の100yrd近辺に左前にゴロって行く。
あまり寝ていない状態からのゴルフ突入ということもあるが。それであれば、「空烈斬」を放てるようになった前夜も、遅くまでみんなで飲んでいて、そんなに寝ていない。
フト横を見ると、サトシもボールが飛ばない状態になっていた。
何かがおかしい。一体どうしたのだろう。
P.Z.R.:「孔明さん、今までで一番調子悪いですね!」
どんよりと暗い雰囲気が漂っている。
コースを進めていくと、その原因が分かった。
三人についてるキャディさんたちの雰囲気。。
クラブを持って歩く時はノソノソ・・・とゆっくりと。サトシがファインプレーをしても、全くの無反応。
逆に、バーディーパットを外すと、チッと舌打ちをして露骨に不機嫌そう。
(※プレイヤーがバーディーを取るとキャディさんはチップをもらえる業界の暗黙ルールアリ。)
僕が2ndショット、3rdショットを打つ際、近くで、僕がダフって地面に穴を開けるのを予め待ち受ける形で、背後から砂を構えている。
すると、案の定僕のクラブヘッドは、地面を叩き地面に穴が。ボールは、ゴロで転がっていく。
「やれやれ。。」と言った様子で無言のままバサっバサっ。
まるで死体を穴の中に埋めるかの如く大量の砂をかけて行く。
近くにいない時には、アイアンやウッドが当たるのだが、後ろで砂をかけるべく待ち構えられると崩れる。
炎天下にも関わらず、身体全身が寒くて硬い。
貧すりゃ鈍する
貧すりゃ鈍する。
海の底に向かって、ゆっくりと斜めに沈んで行く感覚。
これはまるで、お金が儲かった!とはしゃいだ直後に、ゆっくりと沈んで行く、
「飛んでイスタンブール」を経験したものだけが知っているあの感覚と同じである。
いつもは、ノリノリでやっている、サトシ、PZR、孔明の、熱血の修羅が、どんよりと暗くなっている。
途中、現状の雰囲気を払拭しようと、売店でシンハビールを購入して「乾杯!」グビグビ。
3人:「よっしゃ!ナイスバーディ?!」
・・・と元気よく笑顔で叫んだものの、キャディのひとりに、「え?バーディどこが!(嘲笑)」
のひとことに、唱えたバイキルトの呪文はあっさりとかき消された。
とうとう、僕は最終ホールまでただの一度も良いとこ無し状態で、18ホールが終わってしまった。。
孔明:「ファーザーがいないと僕は、どこまでも落ちていくことを改めて実感しました。。涙」
帰りの送迎車の中、右足の親指を無理やり見ようとしなくても、右足の親指ばかりを見てしまう僕がいた。
夜のディナーでは、反省会。
ビジネスでも、ゴルフでも、「貧すりゃ鈍する」の状態から、どうやれば抜け出すことができるのか?
ファーザーが訓えて下さる。
ファーザーの声が心の奥底に深く聞こえるに従い、再び元気を取り戻した。
そして改めて、
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ファーザーが放つ覇王色の覇気にいかに鼓舞されるのか?
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ファーザーの指摘する要がピンポイントなのか?
ホンモノの経営者たる御方が、どのような力を持っているのか?
ファーザーとピーナッツな僕との違いを肌で感じることができた。
誰と一緒に回ろうとも自分を崩さず、調子がよくても悪くても、平常の心を持ち、さらに、自分のことだけでなく、周りを鼓舞できるようになりたい!
ゴルフにおける、次の目標が明確になった出来事だった。
その時に、「空烈斬」は自分の元として放てるようになり。さらには、「アバンストラッシュ」へと進化成長を遂げるかもしれない。
追伸
その後・・・
時間が無いので18ホールは回れなかったが。ひとりでトゥクトゥクによって、ゴルフのドライビングレンジへ。
スランプから立ち直るべく200球ほど打たせて頂いたが、再び「空烈斬」が、放てるようになった。
プチ復活。
これは、仕事でも、株式投資でも同じであるが、付け焼き刃的にならないように地道に日々の鍛錬を繰り返し、自分のモノにしていきたい。
あなたは借金が怖いですか?
私は死ぬまでに<1,000兆円>の借金をすることが夢なのですが…