「物販大富豪」たちは、必殺の攻略法を持っていた。
攻略する相手は銀行。
香港と北の・・・それぞれの物販大富豪たちは、独自の銀行攻略法を持っていたのだ。
HSBCの元融資担当者がナンバー2
たとえば香港大富豪の場合・・・とてもわかりやすい攻略法だが、会社のナンバー2がHSBCの元融資担当者だった。
香港大富豪は創業時、彼の会社を担当していたHSBC銀行の融資担当者をそのまま引きぬいて、会社のナンバー2にしていたのだ。
香港大富豪は持ち前のビジネスセンスで、ただひたすらビジネスを推し進めて来た。単なる非正規の並行輸入業者から、日本の有名ブランドを所有するメーカーの正規代理店へ。香港内で100店舗を超える直営店まで持つようになった。
さらに売上・利益の土台を着実に積み上げながら、物販で毎月着実に、売上と利益を積み上げていった。
4-3=1
9-8=1
というようにキャッシュフロー上での黒字を獲得し続ける、これは絶対に外さなかった。
香港大富豪が前だけを見て、がむしゃらに突き進んでいく中で、元HSBC融資担当者のナンバー2は、ビジネスそのものには一切タッチせず、キャッシュフローが毎月黒字になるように、完璧なまでに調整し続ける。
そして実績にマッチした資料を完璧なまでに整え、銀行と面談をして融資を引っ張れるだけひっぱっていたのだ。
・・・引っ張ったお金を、本業ビジネスに再投資するのではなく、海外(フィリピン、シンガポール、マレーシア、中国)の関連ビジネスへと再投資。
さらには、物販においてのリミッターともなりえる香港内での倉庫を、ただひたすら買い続けていたのだ。
有名ブランド商品の正規メーカー正規代理店としての物販は、実体経済における信用と信頼をもたらす。
そして、その力と経営力を裏付けする、毎月の着実な黒字キャッシュフローを武器に、銀行側の裏事情をすべて知っている、元銀行融資担当者が銀行との交渉に臨む。
香港大富豪はこの強力極まりないタッグによって、上場をすることなく、しかも市場からではなく銀行から、強烈なまでの資金調達を行っていたのだ。
なぜ、香港大富豪の会社の中では、何もビジネスに関わっていないナンバー2が、これほどまでに、好待遇で給料が圧倒的に高いのか?僕もはじめは一切理由がわからなかった。
けれども、今ならわかる。
香港大富豪とナンバー2のタッグこそが、香港大富豪が「大富豪」たる所以なのだと。
自分が一代で登り上がるには、どうしたらよいのか?
香港大富豪はすべてわかっていたということだ。
銀行を攻略する必殺の攻略法、「銀行から愛される経営戦略術」を基に会社経営をしていたというわけなのだ。
社長の仕事はビジネスじゃないんだよ!
北の物販大富豪も、香港大富豪同様、対銀行の必殺攻略法を持っていた。
それは社長たち。
北の物販大富豪は、日本国内は当然のことながら、ハワイ、中国・・・いろいろな国に物販の会社を所有されており、それぞれの会社に社長を置いている。その社長たちには、普通の会社の社長とはまったく異なる特徴があった。
北の物販大富豪が所有している会社の社長たちはみんな、ビジネスが上手なのではなくて、銀行に信用・信頼されるタイプの人間なのだ。
「銀行マンは所詮サラリーマン、彼らと話せるやつが社長だ」
北の物販大富豪は、僕に対してこう言い切った。
「ビジネスが上手な社長なんかいくら探しても見つかるわけがない。ビジネスの売上・利益で右肩上がりを続けられる社長はいない」と、
力強くおっしゃっていた。
その言い切り具合は、しっかりと会社の経営方針にも反映されていた。
北の物販大富豪が所有している会社の社長の仕事は何なのかを考えれば、それがわかる。
彼らのボーナスや給料は、物販での売上や利益の大小パフォーマンスで決まるのではなく、「銀行から何億円融資を獲得することができたのか?」で決まるとのこと。
社長はあくまでも、銀行の融資担当からの「花見さくら」だと言っていた・・・。すると社長の仕事の内容は、自ずと決まってくる・・・。
・物販のビジネスで4-3=1、
最低限1だけを残す黒字のキャッシュフローをつくる。
・赤字のキャッシュ・フローを
絶対につくらないようにする。
・銀行の融資担当や支店長に
定期的に挨拶をしにいって「健全」度合いをアピールする。
・銀行に説明するための
実体経済化させた資料を創造する。
・銀行にビジネスプランを説明する。
そう、社長の仕事は「顧客満足」ではなくて、「銀行満足」を追求することなのだ。
ちなみに、北の物販大富豪は、ジョホールバルでのディナーとワイン飲みの時・・・
この「社長役」には、僕の会社の社員の土居三郎クンと、マレーシアMM2Hリタイア移住をしている法友法師が適していて、その後ろで金髪にして、真っ赤なドレスを来させた女性を連れて、ソファーにドッシリ座り、
「支店長さん、あなたはいくらまで貸せるんですか?」
と発する「オーナー役」は僕が適任だと言っていた。
自分が一代で登り上がるには、どうしたらよいのか?
北の物販大富豪は、すべてわかっていたということだ。
銀行を攻略する必殺の攻略法、「銀行から愛される経営戦略術」を基に会社経営をしていたというわけだ。
「大富豪」たちは、借りたお金を永久に返さない
香港大富豪と北の物販大富豪。
2人の大富豪の共通点を探る上で、僕が一番カルチャーギャップを受けたこと、それは・・・。「銀行から愛される経営戦略術」を基に銀行から融資を受けたら、未来永劫「元本」を絶対に返さないということ。
逆に言うと、返さなくてよい類のお金でしか、銀行融資を受けないのだ。
「元本」を返さず、かつ安い金利で銀行融資を受ける・・・。
このために、すべての労力を注ぎ込んでいる。
そればかりか、借りているお金の絶対額、返し続けた年数を信用にして、さらに大きなお金を銀行から融資を受けているのだ。
サラリーマンの父、地方公務員職の母の両親の下生まれ育った僕は、
母親から
「借りたお金は返しなさい! 借金は絶対にしてはいけません!」そう言われて育った。先日実家に帰った時も、変わらず言われた。
「私たちは一生懸命働いて、家も2回建て替えたけれど、すべてすぐに元本を返したわよ。 お金が余っているのなら、あなたの『潮見の家』もすぐに元本を返しなさい!」
借金は悪。借金は怖いもの。僕は幼い頃から教わり続けてきたのだ・・・。
ところが大富豪たちの生きている世界では、「自分がいくら借金をできるのか?」が「勲章」のようなものになっているらしい。
借金の金額が「漢の価値を決める」と言わんばかり。
これは、日本・香港共通しているところだ。
香港大富豪も、2010年頃「HSBCから数億円、金利1%以下で日本円を借りて、円安になったら上がる日本株を買いまくった!!(英語)」・・・と喜んでいた。
そして案の定の展開になり、ぼろ儲けされていた。
すでに一撃で、親子何十代分もの、金利を稼いでしまっているので、この時点で永遠に利益確定だ!
元本を返さず、利子しか返さなくて良いということは、極論をいうと元本が全部ぶっ飛んでも良いのだ!!
最悪ぶっ飛んだとしても、銀行の融資担当者の前で目を泳がすことなく平然と堂々としていれば、返せとは絶対に言ってこない!
そして最悪の最悪・・・バレて会社を潰すことになったとしても、その会社を倒産させるだけ。
完全にノンリスク。
大富豪たちはこんな思考回路なのだ。
法人として銀行融資を受ける。
↓
銀行融資で獲得したお金を
着実な投資に回して稼ぐ。
↓
元本は永遠に返さず法人として継承。
未来永劫ずっと金利のみを返し続ける。
↓
借りたお金と金利を返し続けたという信用で、さらに借りる。
↓
会社法人はそのためのビークル(乗り物)。
実体経済で存在していることの象徴でしかない。
すべてのビジネススキームは
お金を借りて元本を返さず
金利を返し続けるためだけにある・・・。
「元本を永久に返さず、利子だけを返し、 お金を全額、 インカムの上がるビジネス・投資案件に再投資する」
これこそが、彼ら「物販大富豪」たちが本業として物販を続けている理由であり、大富豪へと上り詰めることができた戦術だったのだ。
でも、僕は率直な疑問を北の物販大富豪に投げかけてみた。
孔明:
「そんなことをして、仮に投資案件がぶっ飛んだのが銀行さんにバレて、銀行さんから『金返せ!』と言われたらどうするんですか!!??リスク高過ぎるじゃないですか!」
すると北の物販大富豪は、にべもなくこう答えた。
北の物販大富豪:
「ははは。そんなの簡単だよ。こう言えばいいだろう。『スミマセン。元本は返せません。でも、利子だけは永遠に返し続けます!末代にわたっても・・・』完全に返せないと言えば問題になるけど、利子だけはずっと返すと言ってるんだったら、問題にならないだろう!」
孔明:「ええええええっ!!」
・・・僕は正直、開いた口が塞がらなかった。
・・・でも、一撃で核心を貫いている。
「物販大富豪」と凡人とは、根本的な戦略術自体が違う。
2003年から2010年の間、ずっと間近で見てきた香港大富豪の言動。
そして北の物販大富豪の発言。
これらを合わせることで、世の「物販大富豪」らが大富豪たる秘密を理解することになってしまったのだ。
右肩上がりのビジネスを追い求める必要もなく、景気の上がり下がりにも強く、強固な地盤・基礎の上に、大富豪の冠を築きあげていくことができる。そんな方法なのだ。
この戦略術以上に、着実に積み上がっていく形で、効率的に、大富豪のレベルに成り上がる方法は存在しないこともわかった。
そして・・・これは条件をクリアして、やり方のツボさえわかっていれば、誰にでも再現できる方法であることがわかった。
ここで再び、その条件を記しておく。
・物販など、実体経済の中で
認められるビジネスで稼ぐことができること。
・必ず法人としてビジネスを行っていること。
・売上・利益の大小問わず、
毎月10万円でも良いから
経常利益ベースで黒字を出し続けていること。
・淡々と継続ができること。
繰り返すが、上記4つの条件をクリアすることが、最初の登竜門。
しかし逆に言えば、その部分を着実にクリアできれば、大富豪の言う戦略術を再現性のある形で活用することができるようになるのだ。
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【物販大富豪直伝の戦略術第4話/全30話】
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