時間と場所の自由があれば、「シアワセ」が手に入ると思っていた・・・。
ところが、実際に僕が好きな時に、好きな国と地域に、自由自在に行けるようになってみると・・・。
本来、想像していた程の「シアワセ」感を得ることは出来なかった。。
あの日・・・。
「申し訳ない気持ち」でいっぱいになり、震える手で上司に提出した一枚の「有給届」。
たった一日、金曜日だけ「有給」を取って、土日合わせて2泊3日のスケジュールで行った、マレーシア・ジョホールバル。
会社のみんながお仕事している中、平城寿@SOHOと合流をして、不動産物件を買うためにプライベートで旅行に来てしまった僕。
「本当にこんなことしていて良いのかな?」
罪悪感に襲われながらも、おしりの奥底から、ズキュンと湧き上がるような、快楽物質が走る感覚を覚えた。
孔明:「僕は今自由だ~!」
ホテルの窓から眺めた、自然あふれるジョホールバルの緑は、まるで「オズ魔法使いの国」のエメラルド色の世界。
こんな「自由」な日が、毎日訪れたら、どんなに「シアワセ」なことかと、僕は、夢や希望を抱く。
ところが・・・。
サラリーマンを退社後、実際に時間と場所の自由を手に入れて見ると。訪れた日常は、僕が思い描いたものとは少し違っていた。
僕は自由を武器に、毎週のように、色々な国と地域に訪れてみた。
次はカンボジア、
次はベトナム、
次はタイ、
次はフィリピン・・・。
東南アジアを周ってみても。
次はドイツ、
次はノルウェー、
次は北極、
次はトルコ・・・
欧州近辺を周ってみても。
次はハワイ、
次はラスベガス、
次はロサンゼルス、
次はサンフランシスコ、
欧米各州を周ってみても。
なぜか、一枚の「有給届」と共に行った、「2泊3日のジョホールバル旅行」の時のような、快楽物質は走らない。
もっともっと刺激を加えてみようと、美味しく華美な料理、高級なお酒、食べたり、飲んだりを繰り返してみたものの。
逆にどれも同じ味がしただけだった・・・。
理由は何だろうか?
自分自身と向き合い、色々と考えて見た。
その結果・・・
「枯渇」のための「孤独」
昨日は「孤独のゴルフ」。
ここ、マレーシアジョホールバルでは、3連休に突入するようで。「ポンデロッサゴルフコース」は、沢山のゴルファーで溢れかえっていた。
1人で訪れた僕は、5番ホールからスタートとなった。
それでも、前後にゴルファーがいるようで。前には韓国人のアベック。後ろには、4人組の日本人。
共に、キャディーまでつけていて、和気あいあいととても楽しそうだった。
一方僕はひとりぼっち。
僕と対話してくれるのは、たまに足をよじ登って来てくれるアリンコ君だけ。
偶然のファインプレーが出ても、喜びを言葉にして出すこともできない。
ボールが右に反れて森の中に入っても、悔しさを音に表すことさえバカバカしい。
ひとり黙々と、目を凝らしながらボールを探し続けるだけ。
僕の打ったダイモン18ゴルフ場で買った、1個1マレーシアリンギットの安ボールは見つからなかったが、代わりに「テイラーメイド」の高級ボールを発見。
「テイラー」を天に掲げ、「これぞわらしべ長者!」とひとりで叫んでみたが。
反応してくれたのは、特に何も無い僕のカートに群がり何かを探していたカラス君たちだけ。
森の中に入った時、足元から再びアリンコ君がよじ登って来ていたようだ。
同じ顔をしているが、先程のアリンコ君とは別のアリンコ君で別人であるから「ともだち」とは言えない。
そう思った瞬間に、「痛てっ!」アリンコ君に足を噛まれた。
普段は3時間半位で終わる18コースに、4時間半以上もかかってしまった。
「孤独のゴルフ」というものは、体感的には2倍位の時の流れを感じる。
クラブハウスに戻り、温泉につかった後。近くの日本人経営の焼き肉レストラン「ケムリ」で15RMの「ハンバーグ定食」。
ギリギリの時間に入ったため、既にスタッフさんたちが、自分たちのランチの準備をしていた。
どんなに美味しい料理も、ひとりで食べると、同じ味がする。
・・・とことん、孤独の虚しさ、侘しさを感じ続けていた。
「ウィスキー」より酔える「アールグレイティー」
・・・今の僕は、こうして、絶望的な「枯渇」の状態を、作り続けることを、日々の「生業(なりわい)」としている。
特に今回はトコトン、精神的に自分を追い込んでみた。
なぜなら、今日の夜は久しぶりに、ジョホールバル在住の経営者同士の飲み会があるからだ。
しかも今回、ジョホールバルへの移住を検討されていると言う、日本からの旅行客も3名来られると言う。
ダラダラと飲み続けている時に味わう高級ワインよりも、喉がカラカラに乾いている状態で飲んだ一杯の水の方が美味しい。
お腹いっぱいの時に食べる高級懐石料理よりも、お腹がペコペコの状態で食べた、一個のおにぎりの方が美味しい。
孤独をトコトン感じ続けた後に参加する飲み会。
自分以外の第三者がこの世に存在してくれる喜びに心の奥底から感謝できる。
これが今の僕にとっての「シアワセ」の形。
「罪悪感あっての快楽」
「束縛あっての自由」
僕にとっての「シアワセ」とは、「不安と悩みの気持ちに耐え続け、苦しみ続けた暗雲の中、差し込んだ一筋の「光明」が見えた瞬間の事。」
・・・であることが分かってしまったからだ。
目を閉じて花びんの形を両手で確かめるように、自分の欲望の輪郭をなぞってみた結果である。
いつも、「サバ」と「ほうれん草」だけを一人でパクパクと食べている、自宅コンドミニアム前の日本料理レストラン「林」。
今日は男6人での宴会。
当然、「修羅の領域」で闘い続ける経営者が6人集まれば、お金の話、ビジネス、投資の話。
40年間ただの一度も飛ばされることなく生き残り続けた御方「ミスターアイデン」節は今日も光輝いていた。
2次会は3つ隣のユニット「ウィスキーバー」。
乾杯しなおした後、生演奏でちょうど、ボーカルさんが、「上を向いて歩こう!」を歌っていた。
僕はウィスキーの代わりに、茶色い色したアールグレイティーを飲んでいたが、どんなに度数の高いアルコールよりも酔った。
・・・さて、一夜明けた今日、気を取り直して、再び次の「シアワセ」に向けて「孤独の絶望」を感じながら一日を送ることにしよう・・・。
大きな快楽を味わうための熟成の日々。
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私は死ぬまでに<1,000兆円>の借金をすることが夢なのですが…