ミスタM:「正直、これマジかな?っていう疑心暗鬼の気持ちの方が大きかったです。世の中に、本当にそんなにバカな話って、あるのかな?って。」
ジョホールバルの焼き肉レストラン『韓』。
チャスミル焼酎お茶割りをグビグビ飲みながら語るミスタM。
2012年夏のとある日、身振り手振りで夢中になって熱く語る僕から、「銀行融資でお金を創る」からはじまるセオリーを、はじめて耳にした時に、素直に感じたことだと言う。
孔明:「え?キミは僕の言う事バカにして聴いてたの!?」
熱々のカルビ肉を頬張り、モグモグしながらも、口を尖らせる。
なんとミスタMは当時、僕があまりにも熱心に語るもんだから、漫画『ワンピース』に登場したばかりのウソップを見る町民かの如く心の中で嘲り笑って見ていたというのだ・・・。
確かに、世の中には美味しい儲け話はいくらでも転がっている。
誰かが熱くなってしゃべっているものは大抵、
「騙されてるよそれ・・・」
周りから冷静に指摘されるものが多い。
こと「お金」の世界には、クズ情報ばかり。
そんなものをまともに信じていたら命がいくつあっても足りない。
間違った情報を根拠に実行にでも移した日にはたちまち「飛んでイスタンブール」になってしまうのだから。
けれども、7年前の僕の言葉が、バカだったのかどうか?
ミスタM本人が、他の誰よりも知っている。
「疑心暗鬼」で人の話を斜に構えて聴いていたミスタMが今。
他の誰よりも自分がバカな世界をひたむきに邁進し続けている。
- 会社を創る
- お金を借りる
- 原資ができる
累計9,000万円以上ものお金を、「銀行融資でお金を創る」で創り出すなんて、世の中の大多数、真面目に働き続ける労働者への冒涜とも取れる行為。
バカげたことが当たり前の日常になってしまったのだから。
ミスタMのこれまでの経緯・・・
新規創業融資こそは、目標2,000万に対して1,300万と未達だった。
世の中の常識的には創業融資で税理士、会計士のサポートとかを受けても、200万、300万ほど融資出れば良いと言われている。
これを基準とすると、最初からが異常のはじまり。
その後も、セオリー通りに実行するだけで、数枚のA4の紙切れが、その1,000倍もの枚数の福沢諭吉が描かれた紙切れの束へと変わっていく。
年が経過すると、プロパーと呼ばれる単語も出てきて、なぜか銀行から個人保証も外されていく。
さらに、「これは流石に都市伝説では・・・」と思われていたもの、「元本返済いりません!金利だけ支払い続けて下さい!」と銀行から言われる割合も。
全体の20%程度とわずかなものであるが、現実の世界に。
すると、まるで使い古した電話帳が積み上がっていくかの如く、ミスタMの銀行口座に、使う当ても返す当ても無い、何千枚もの福沢諭吉がただただ無意味に積み上がっていく。
孔明:「Mクン、僕だけがバカなのでは無かったね。今はキミ自身がバカな道を歩んでるのだから。」
僕はミスタMに言い放ってやった。
かつて真面目に生きていた頃の彼に、「バカ」呼ばわれしたら、感情的に怒り狂っていたのだろうが。
銀行口座に大量の福沢諭吉が積み上がってしまうと、人は誰しも変わってしまうようだ。
今のミスタMは、「バカ」呼ばわりされてもなぜか褒め言葉にしか聞こえないようだ。
ヘラヘラと笑いながら、チャスミル焼酎お茶割りをグビグビ飲むのだから。
僕たちの歯車の動きが狂い始めてしまった日
あの日突然、僕のマレーシア携帯の着信音が鳴り響いた。
「孔明、今日時間あるか?」
マレーシアジョホールバルに住んでいた僕を、ファーザーが訪ねて下さった。
ギラリ輝く眼光と、精力的な佇まい、柔らかい身のこなしは、60過ぎという年齢をまったく感じさせない。
同じくジョホールバルに移住していた、サブロー君、真言密教僧侶である法友法師も同席して宴ははじまった。
ファーザー:「オレは死ぬまでに1000兆円借金するのが夢なんだ!」
まだ塗装の匂いが残るオフィスの中、カルフォルニアのナパバレーから取り寄せた、3本の赤ワインを堪能されながら、ほろ酔いモードになった頃。
ご自身が一代で「お金持ちになれたヒミツ」を、僕たちに対して、諭すように語りはじめてくれた。
その第一声が「1,000兆円の借金」。
一同:「はあっ?」
ほろ酔い気分で冗談でも言っているのか?
あるいは単なる聞き間違いか?
意味がよくわからず、僕も、同席した彼らもポカーンとなった。
だいたい、1,000兆円も借金をするなんて、正気の沙汰じゃない。
そんな大借金を抱えたら、首が回らなくて自決の道を選ぶしかないんじゃないか?
しかし、お話を進めるにつれて、僕はようやく御方の真意が見え始めた。
なにゆえに1,000兆円も借金したいのか?
そのコトバの裏にはどんな大富豪としての「企て」が潜んでいるのか。
そして、なぜ世の中の善良で真っ当な方々が、どんなに身を粉にして働き続けたり、ビジネスを必死に頑張り続けても、一行に銀行口座に福沢諭吉が滞留してくれないのかということを・・・。
ファーザー:「やっとわかったのか。だからお前はいつまでも凡人のままなんだよ!」
ファーザーはワイングラス片手に、僕に向かってニヤリと言い放った。
僕は、ぐうの音もでなかった。
なぜなら、僕がこれまで一生懸命励んできたサラリーマンとしての労働、取り組んできたビジネス。
その全ては、学校教育、社会の常識、そのレールの延長上のものに過ぎなかったのだから。
今振り返れば、あの時が僕が周りから「孔明は頭がおかしくなった・・・」と言われるようになったキッカケだ。
世の中の大多数、「清く、正しく、美しく」生きる善良な方々が。
毎日朝早くから夜遅くまで、サボることも無く、身を粉にして働き続けることで。
血と汗と涙の結晶とも言えるお給料をもらい続ける、そんな美しき真っ当な世界を歩み続ける中。
今日はマレーシア、来週は日本、再来週はアメリカ。。
平日にも関わらず、朝からゴルフ、昼からビール、午後はマッサージ。
「Tシャツ・短パン・スニーカー」
一体何をしてるのか、よくわからない不良中年のように成り下がってしまった。
サラリーマン時代、「◯◯◯◯社の真田です。」堂々と名刺を差し出せていた。
真っ当に生きていた頃の僕が懐かしい。
時間の経過と共に、この病状は進行してしまうようで。
僕から感染したミスタMも、もう社会復帰など出来ない末期な状態にまで陥ってしまっている。
僕も実家に戻り、母に会うと、
孔明の母「あなた大丈夫?ちゃんと生きていけてるの?あなたはどうでも良いけど、家族が心配。」
可愛そうな人を見る目で真剣に心配されて、お小遣いまで下さる始末だ。
恐らく、地方公務員教員職と真っ当な世界を歩み続けて来た母の目には、今の僕は、明らかな「社会不適合者」にしか映らないのだろう。
孫を想う祖母として、心配するのは当然である。
仮にここで僕が、「信用創造があるから生きていけますよ!」
・・・などと説明してしまった日には、母の白髪が増えては大変なので、僕は「へへへっ」と愛想笑いしながら、ママからもらったお小遣いを嬉しそうにカバンにしまい込むことしかできないのだ。
「知らないほうがシアワセだった・・・」
リアル世界の親族や近隣の方々には、決して明かすことのできない、ミスタMと僕たちの歩む道。
このお話に耳を傾けはじめてしまうことが、真っ当な人生から外れてしまうキッカケになるかもしれない。
ファーザーから教わった次の日から、身振り手振りで夢中になって熱く語った当時の僕のように、周囲に語ってしまった日には、確実に白い目で見られるか、真剣に心配されることになる。
お金も今まで人生の中で考えていたお金ではなく、「電話帳のように見えてくる・・・」。
すると、給料のために、真面目に朝から晩まで、会社に出勤し労働を続けることが、できない体質になってしまう恐れもある。
銀行口座の中に、使う当ての無い福沢諭吉だけが増え続けたところで、果たしてそれは「シアワセ」なのか?
よくよくご自身の胸に手を当てて、問いただしてみたほうが良い。
人によっては、ありとあらゆる夢や希望を、失うことにもなりかねず。
「知らないほうがシアワセだった・・・」
ということにもなるかもしれない。
追伸1
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あなたは借金が怖いですか?
私は死ぬまでに<1,000兆円>の借金をすることが夢なのですが…