アジア振興各国についての投資戦略について、K先生からお話を頂戴する。
K先生は、年間にあたり約5,000社。年間あたり3兆円ほどを、銀行として、会社法人に対しての銀行融資の決済を行う。
銀行本部奥の院とも、関所とも例えられる、法人向け融資審査部門のヘッド。銀行支店長経歴の法人審査部門長。
銀行のVIPという立場ゆえに、見えてくる新興国の姿というものがある。
通常、聴けない類のお話。心で記憶するべく、しっかりと集中してお話を聴いて頂きたい。
【新興各国の投資戦略】
アジア振興各国への投資戦略の検討するにあたり
Kです。
世界のお金の流れが変わったということで、新興国とかの融資が出にくくなりましたが、1~2年ぐらい前までは、けっこう新興国にお金を入れていましたよね。
お金の流れが変わったということは、そういったところも話が変わってきているということです。
そこに気づいてほしいので、ここでは新興国についてご説明します。
今まで新興国はバブルだったわけです。
なぜ、バブルだったかというと、アメリカが330兆円をぶち込んだおかげで、そのお金が新興国に流れていたからです。
ここで知っておいてほしいのは、新興国は基本的に自分たちで価値を生み出せないということです。
日本は資源が豊かとはいえませんが、無から有を生み出せる国です。
たとえば鉄の塊を、自動車にできます。
この瞬間、無から有に価値を生み出す。
これが付加価値です。
日本はこれができるから強いわけです。
しかし新興国の場合、自分たちの土地の下に眠っている石油だとか天然資源、これを掘ってよその国に売っているだけです。
だから、この価格が落ちたら全部沈没するわけです。
国がバブルで潤っている間に、製造業なり自分たちが付加価値を加えられる産業を育てればいいのだけど、
残念ながら彼らはバブルだったからこそ、そんなことをしなくても儲かってしまった。
彼らは夢を見ていて、今は「はい、これで終わり」というところにきているわけですよ。
だから、今、気づかないと駄目だということを知ってほしいのです。
ここから、これから、新興国は落ちてきます。
最後までお付き合いするのならいいですが、できたら今のうちに逃げましょう。
投資ですから、すべては自分自身のご判断です。
ご判断ですけど、逃げたほうがいいと僕は思います。
駄目な新興国と、大丈夫な新興国
ただ新興国といっても、すべての新興国が駄目なわけではありません。
アジアの新興国でも、さっき「無から有」と書きましたが、製造業を持っている国はその限りではないのです。
製造業を持っている国でも、いっぺんはみんな一緒に沈みます。
ただ通貨安になるので、輸出が有利になってまた復活するのです。
一度は落ちますが、製造業を持っている国は逆にチャンスだから、そのチャンスをちょっと待っていようと、僕はあなたにコッソリお伝えしたいのです。
「じゃあ、アジアの中で大丈夫な国はどこ?」という話ですよね。日本が進出している国です。
自動車など製造業の工場を持っている国です。
わかります?
まず、タイやインドネシアが思い浮かびますよね。
タイはOKです。
でもインドネシアは一番危ない。
その理由は「経常収支」を見ればわかります。
要はよその国から借りている額と貸している額で「経常収支」は、貿易で考えた場合のその差額のことです。
実はインドネシアは、新興国の中で一番マイナスなのです。借りているほうが多い、借金が多いということ。ですからインドネシアは一番ダメージを受けます。
あとはインド。インドも経常収支マイナスです。
だから、インドネシアとインドはヤバイ。
復活もしにくいです。
では復活するのはどこか。タイ、そしてフィリピンは復活します。
フィリピンは製造業というイメージはないと思います。けれど、フィリピンは実はどんな時代でもずっと経常収支はプラスです。
その理由は、出稼ぎ国家だから。アメリカへ行って外貨を稼ぐことができるので、ほかのアジア諸国とは全然、違います。
出稼ぎ軍団がいるから、どんな時でも強いのです。
中国のシャドーバンキングの問題
では、次に中国を見てみましょう。
近年、シャドーバンキングが話題になっていますよね。
それで中国は危ないのではないかと言われていますが、実際のところはどうなのか。
シャドーバンキングはあなたも、言葉では聞いたことあると思いますが、多分、これも日本で説明できる人は僕しかいないのではないかというぐらい、本当の話をします。
中国は融資の形態が日本とは全然違うので、まずそこからご説明します。
中国の場合は、プロジェクトごとに1案件として口座をつくります。
不動産の融資と一緒ですね。
1案件ごとに、たとえば渋谷に「109ビル」を建てる。
このプロジェクトに対して10億円なりの、1つの口座をつくるのです。
このプロジェクトが終わったらこの口座は閉鎖です。
また、2つ目のプロジェクト、「道玄坂ビル」建設があれば、また口座をつくる、この繰り返しです。
中国は1つの案件が終わったら、ちゃんと閉じる。
みなさん、中国はいい加減だと思っているようですけれど、このように資金管理は非常にしっかりしているのです。
日本では1回開いた口座を何回でも使えますよね。
だからこの案件、この案件と、全部ごちゃ混ぜになってしまうので、今、どこのお金がどうなっているか、わからないことが多いのです。
でも、中国の場合はしっかり把握されている。
しかもこれ、1年という期限つきなのです。
でも1年後に返せといわれても、プロジェクトが終わっていなければ、たとえばさっきの例でいうと「109ビル」が建っていなかったら返せない。
そこでどうしたか。
A銀行から借りたら、そこへ1年後に絶対に返さなければいけないから返します。
でも、それためにB銀行で1か月だけ貸してくれといって、借りるのです。
それでA銀行へ返す、そのあとA銀行でまた借りる、そんなことをやっていたのです。
ところが2013年6月に、中国政府がそれを禁止したのです。
そこで中国の不良債権とシャドーバンキングの実態が浮かび上がってきたんです。
その時何が起ったか。
中国政府が借り入れの規制を強化したので、みんな返せなくなりますよね。
たとえばB銀行で借りて、A銀行で借り直す、それができなくなったので、ほかにも銀行じゃないところでも借りて返すということをしていたのです。
これが「利ざや商品」。
名前を聞いたことあります?「利ざや商品」って。
それがシャドーバンキングの実態につながるわけです。
ただ、この「利ざや商品」は中国国内の問題です。
マスコミは煽っていますけれど、日本と違って中国はちゃんと資金管理をしているので、外国の方は誰も持っていない。
だから、リーマンショックのようには絶対にならないです。
しかも中国は今、キャッシュをめちゃくちゃ持っている。
米ドル、アメリカ国債を1兆ドル持っています。
だから、いざとなったら売ればいいのです。
アメリカの子分である日本と違って、中国は売ることができますからね。
だから巷でいわれているように「シャドーバンキング」で中国が潰れるとか、そんなことはありません。
・・・というか、中国はむしろいい方向に向かっています。
不良債権がどうなっているか、2013年6月でちゃんとわかったので、多分、これから中国は案件ごとに、たとえば省ごとに地方債を発行させて債権を処理させるということをすると思います。
そのほかの方法もいろいろありますけれどね。
ユーロは復活するか、という危惧もあるでしょう。
でも、今までの話でわかったと思いますが、もう王様にはなれないですよ。
世界の基軸通貨はしばらくドルでいきますから、
僕に言わせれば「ユーロ。そんな通貨あったっけ?」という感じです。
K
追伸
【孔明が見た中国について】
真田孔明より中国について、少し説明させて頂きたい。
僕は中国本土に関しては、2003年から営業&マーケティングとして、現地での販売活動をしてきて、2006年から2010年までは、本格的に現地に移住して活動していた。
現地支社の副総経理として活動してきたので、中国についてはよく知っている。
中国はある意味本当にすごい国だ。
その証拠に、日本と違って中国はまだ、政府と銀行が分かれていない。
ここが、ポイントである。
だから、よくマスコミが、中国をバカだ、バカだとか、煽ったりしているが。
あれは単に、末端にいるB級、C級、4軍、5軍の人たちのミスかなにかを拾い上げて叩いているだけ。
日本だって同じような現状があるはずだ。
でも、僕が実際現地で見てきた1軍、2軍のレベルの中国は違う。
最前線で見てきた中国は、めちゃくちゃ経済については敏感。
しかも、僕みたいなこんな外国人、日本人の僕の話を聞いてくれるのだ、みんな。
経済に結びつく場合は、すごくしっかりしている。
そして中国は、政府と銀行が分かれていない。
今なら、そのすごさがわかるはずだ。
それからもう1つ、冷静に、俯瞰的に考えて頂きたい。
中国本土が情報統制しているのは当たり前だということ。
めちゃくちゃ人口が多い、30以上の民族がいて、人口15億人。
これは情報統制とかしなかったら、戦争が勃発してしまう、国内で。
だから、たとえば中国本土の情報統制の仕方、あれはあれで正しいのだ。
僕がもし王様だったら絶対にそうする、いや、もっと情報統制すると思う。
すでに政府と銀行がわかれている日本の方が、中国よりも何倍もヤバイかもしれないのだから。
いろいろな角度からみても、中国本土は強い!
そのお話を、僕とは別の角度から、K先生は裏付けしてくれた。
【オフィス内でコッソリ確認する時などには「30日メール講座」版が便利】
【物販大富豪直伝の戦略術第21話/全30話】
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