孔明:「あの、申し訳ございません。来月◯日の月曜日ですが、「有給」取らせてもらっても良いでしょうか?」
・・・2010年時点の僕も、震える声で言い訳しながら、「有給届」を上司に提出した。
上司:「あ、了解!」
・・・実際そこで、拒否してくる上司は皆無。
逆に、思ったよりもかなり軽く「有給届」を受けてくれたのだが、サラリーマンとしては、「有給届出すの悪」的な先入観があり、やはり何度提出しても、恐る恐るという感じになってしまい、慣れないものだった。
勇気を振り絞らないと提出できないのが「有給届」。
孔明:「月曜日に有給取れましたので、土~月でマレーシア行きましょう!」
貴重な一日の有給届を活用する形で、フィリピンやマレーシアに赴き、不動産を購入したのは懐かしい思い出だ。
ちなみに、僕が勤務していた会社のホームページの、人事採用ページを改めて見てみると、
「休日休暇」
・完全週休2日制(土日、祝日)
・年間休日125日
・年末年始4日、夏季3日
・初年度有給休暇10日
他にも、リフレッシュ休暇制度などがあると言う。
けれども、実際僕の約12年間の経験でいうと、年間休日125日間も取れなかったし、年末年始や夏休みは忙しい時なので仕事しかした記憶が無いし、有給休暇を取得したこともないし、リフレッシュ休暇などは存在も知らなかった。
それでも、安定的にお給料をもらえていたし、それが会社内の雰囲気的に見て、「当たり前」だと思っていたので、何も文句は言わなかった。
しかし、「有給届」を提出する時は、なにか悪いことをしているようで、緊張した。
たった一枚の「有給届」を出すのに、ものすご~い、罪悪感を感じてしまうのである。
罪悪感はおそらく、「神」と呼ばれる存在が、愚かな罪人である人間たちに課した「永遠の労働の義務」に対する恩赦である概念から来ているのだろうか?
「神は永遠の奴隷であるあなたたち人間にさえも、無償の愛とともに見続けてくれている。
神はあなたがた人間に対して、永遠に勤労であり続けることを望まれている。
そして神が、勤労であるあなたに無償の愛と共に与えて下さったのが、余暇である。
余暇が楽しめること、神に感謝しながら余暇を過ごしなさい。」
・・・というような強烈な呪縛的な概念が背景として存在からなのだろうか?
労働の義務と余暇についての言語化記事
それはよく分からないが、とにかくたった一枚の「有給届」を提出すること自体が、とてもドキドキものなのだ。
僕のサラリーマン時代の末路として、勤務していた会社での、「大々的な副業バレ」によって、本社の役員会議にもかけられ、強制的な「円満退社」を選択せざるを得なくなったわけだが、
僕には消化しきれていない沢山の「有給」が残っていた状態であること、最後の方で知ることになった・・・。
まだサラリーマンは辞めない方が良い
よく、稼ぐ系のカリスマさんたちから、「サラリーマンなんか辞めちゃえ!」とかを、声を大にしてアドバイスしてこられることがあると思う。
けれども、そんな中で僕は、「すぐにサラリーマンを辞めないほうがいい!」と力強く言える。
その理由は、サラリーマンを辞めたからと言って、ビジネスに当てる時間が、それほど増えない可能性が大だからだ。
僕も2010年末まで、上場企業に勤務する現役サラリーマンとしての活動を続けていた。
けれども、入社後、上司たちの度重なる「悲惨なリストラ」を、目の当たりにし続けた結果。
上場企業のサラリーマンであっても、自分の身は自分で守らないとならないことを悟り。早期の段階に副業ビジネスで稼ぐ道に足を踏み入れた。
- 会社での高い待遇と満足感のある給料
- 年収を月に稼ぐレベルの副収入
・・・「2足のわらじ大作戦」が、非常にうまく行っていた状態が続いていた。
その時の「2足のわらじ」による日常と、「円満退社」を迫られれ、強制的にサラリーマンを辞めて経営者になってしまった日常。
結果的に、両方の日常を比較することが、できる立場になってしまったが。
ここで僕は、大きな問題を発見してしまった。
それは・・・独立起業しても、僕のお仕事に当てる時間が増加していないのである。
ゴゴゴゴゴゴ
サラリーマン副業時代は、
- 毎朝6時には起床している
- 会社出勤前にカフェに行って副業お仕事
- 会社出勤後は労働に徹する
- ランチは会社の同僚たちと一食1,000円前後のランチ
- 午後も労働に徹する
- 20時頃会社を出てカフェに行って副業お仕事
- もしくは会社の同僚たちと、それほど高くないお店でディナー
- 家に帰ったら風呂入って寝る
- 土日・祝日は家族と遊びながらも開いた時間を使って副業ビジネス
・・・という感じで、規則正しい毎日が続くので、カフェとかに場所を変えたりするが、労働習慣の延長として、副業ビジネスにも集中できた。
また、お金を使いたくても、なかなか使う機会も無いので、
- 会社からの給料
- 副業からの収入
・・・ただただ、銀行口座にお金だけが溜まって行く状態だった。
さらには、投資の活動を行う時も、時間がなくて無駄な情報を入れなくて良いので。
- 為替を両替する
- 株やファンドを購入する
- 不動産を購入する
・・・と、超硬い投資しか行っていなかったので、飛ばしようも無かった。
それが独立起業することになった後、会社の就労に当てていた時間が、そのままお仕事時間になるかと思いきや、なぜか外の世界では不思議なことに、色々と無駄にやることが出てきてしまう。。
冷静に振り返ってみると、実際にお仕事している時間は、サラリーマンとして副業ビジネスに当てていた時間と、まったく変わっていない。
それ以外の強制就労に当てていた時間がなぜか別の無駄なことに消えていってしまうのである。
それと共に、支出も大幅に増えてしまった(涙)。
これと同じような現象は、僕だけに発生しているのでは無いようだ。
サラリーマンの副業で成功して、独立起業して経営者になった方々への、ヒアリングを続けているが、
「独立起業して経営者になった後、サラリーマン時代の副業時間と比べて、自分のビジネスのための仕事の時間は増えましたか?」
・・・という質問に対して、大多数の元サラリーマン経営者の回答は、
「そう言われてみると、仕事時間、全然増えてませんね。。」
・・・というものばかり。
つまり、彼らの大多数も僕と同じように、
「サラリーマンから独立起業して経営者になったとしても、意外と自分のビジネスに費やす時間は変わらない」
という結論が導き出される。
むしろ、「サラリーマン時代の時に、副業ビジネスとしてやっていた時の方が、沢山時間を使ってました!」・・・という回答の方が圧倒的に多いのだ。
不思議なことに、独立起業した後、就労に当てていた時間がそのまま自分のお仕事時間になると思いきや。副業に当てていた時間分しかお仕事をしていなかったりする。
就労に当てていた時間は、別のことに振り分けられていく。。
- ゆっくりと起床する
- ボーッとすることに時間を使う
- 家族のために時間を使う
- 友人・恋人のために時間を使う
- 趣味に時間を使う
- お食事会に時間を使う
- 飲み会に時間を使う
- セミナーなどの勉強に当てる
- 旅行に行く
- 無駄な投資の活動をしてしまう
・・・などなど、
毎日平均約10時間分の就労拘束時間だったものは、独立起業後、お仕事以外の別のことに消費・・・というか、浪費されてしまう。
気がつけば、なぜかあっという間に、一日が終わってしまい、結局サラリーマンの時に、副業ビジネスとして当てていた時間分と同等、もしくはそれ以下の時間しか、自分のお仕事に時間を当てて無いのだ。
強制的な労働による規則正しい生活習慣が崩れてしまったり。「時間が無い・・・」というプレッシャーの中で副業ビジネスをしていた時よりも、時間の使い方が中途半端だったりして、時間あたりの仕事効率が、下がっていたりもする。
しかも、時間無駄に使うのではなく、お金を無駄に使う機会も増えてしまう。
・・・とすると、
- 給料がそのまま無くなった
- 副業ビジネスの収入もそれほど伸びない
- 無駄な経費の支出が増えた
以上3点によって、手元に残るお金が、サラリーマン時代よりも大幅に減ってしまっている。。という現象さえ発生してしまうのだ。
以上の統計データを踏まえて、「あなたはまだ会社を辞めないほうが良い!」とアドバイスをする。
-
サラリーマンとして稼げない者は独立起業して経営者になっても稼げない
-
サラリーマンを続けながら稼げる者が、独立起業しても稼げる
-
サラリーマンから独立起業して経営者になったとしても、自分のビジネスに費やす時間はそれほど変わらない
・・・という三原則が大多数の人間に適用されてしまう。
2004年から沢山の副業サラリーマンのサポートを続けて来た中での統計として、明らかであるからだ。
だからもしもあなたが今、サラリーマンだとして。これから独立起業を考えているのだとしたら。
「独立起業してから何か大きなことをやろう!」
・・・と、独立起業後の世界に、夢と希望を持つことは辞めたほうが良いと思う。
まずは、今置かれている環境の中で、毎日1時間でも、2時間でも、副業ビジネスに捻出できる時間を捻出。
会社帰りのカフェなど、副業ビジネスに集中できる環境を探して。サラリーマンとして強制就労状態で、働き続けている中で、まずは、副業ビジネスとして稼ぎ続けることにとことん挑戦すること。
そして、本当に時間が足りなくなってしまったら、会社の中での出世・昇進ではなく、将来独立起業を考えているのだから。
白黒、右左、ハッキリさせる形で、いきなり「辞めます!」と、大上段からの大ぶり的に、決断してしまうのではなく、周りの同僚たちから「セコい」とか、「仕事しろよ!」とか罵られようとも、土日祝日を極力休むようにする。
さらには、勇気を振り絞って、「有給届」を提出する。
どうせ会社を退社する時は、「後ろ指さされることになる」のだから。。
周りの同僚たちから何を言われようともとことん活用できる仕組を活用してみること。
お休みを取ることは本来、労働基準法とかで認められた、合法の行為なのだから。
「有給」を取ってみて、副業ビジネスのためのお仕事をしてみて。それで本当に、自分のお仕事時間が増えたり、収入が圧倒的に増えるのだと確実に実感できてから、さて、いつサラリーマンを退社して、独立起業をしようか・・・。
そこから、ゆっくりと考えはじめるくらいのスピード感で良いと思う。
ただし、あくまでも「ゆっくりと」なので、実際は考え続けたまま、いつリストラされるのか、待ち続けてみても良いかも。
どの道、このくらいの「したたかさ」が無かったり、白黒、右左の中ではなく、グレーゾーンをあやふやな状態で耐え続けられる度量が無いと、独立起業後に経営者としてもやっていけないと思うので、その鍛錬として。
ということで、まずはさっそく勇気を振り絞って「有給届」を上司に提出してみることからはじめてみよう。
追伸
「地下ソサエティ」で、「北のセオリー」を遂行している方々にも、現役サラリーマンたちが結果として沢山いる。
独立起業を前提に「信用創造」をしてみたものの、会社の「引き継ぎ」が終わらず、一向に退社できないとのこと。。
もしかしたら、「引き継ぎがこのまま、定年退職まで続いてしまうかも・・・」と言うツワモノまでもがいた。
まあ、これくらい肝が座っていて、ゆったりと雄大な気持ちで動けるような方でないと、独立起業して、経営者として活動を続けても、生き残り続けることはできないと思うので、「大変素晴らしい!」と個人的には思うのだが、いかがだろうか?
あなたは借金が怖いですか?
私は死ぬまでに<1,000兆円>の借金をすることが夢なのですが…