13万5,000年前の岩山。 ボクはニンゲンと対峙してしまった。ニンゲンは大きな石を手にして、振りかざした状態。ボクに石を投げようと構えている。
これまで対峙したいかなる生物よりも強い、なんと凄まじいレベルの覇気。ニンゲンの中でも群を抜いて屈強。生物としてカイブツ。
ボクは即座に理解した。
ボクがこのままニンゲンと闘えば、確実に殺られる。
ニンゲンの手にしている石は、確実にボクの脳天部をとらえボクは確実に殺られる。
けれども、ボクはココから後には引くことはできない。
後ろには、生まれたばかりの子供たちに、母乳をあげているメスがいるから。
仮にボクが帰らぬ状態になってしまったとしたら・・・カノジョたちはとても悲しむことだろう。。。
このニンゲンは、カノジョたちの存在に気づき、ボクにしたと同じように殺してしまうかもしれない。。。
ボクはココから後に引けないし、死ぬわけにはいかない。
死ぬ。でも、ボクは生きたい。
3秒後、2秒後・・・
一体ボクはどうすればいいのか?ボクは生きたい。
ボクの脳裏には、これまで生きてきた全てが、走馬灯のように高速で流れる。
過去・現在・未来その全てが瞬間的に一点で混ざり合った。
生への執着。死の境界線。
これまで生きた中で、味わったことのないほど、脳細胞がめまぐるしく動いた。
次の瞬間ボクは、自分でも信じられない行動をとった。
通常であれば、絶対にボクたちが選択し得ないものだった。
ボク:「く~ん♪」
全身の力を抜き、視線を、目の前のニンゲンから下に反らし地面に落とす。ベロを出して、尻尾を軽快なリズムでふってみた。
その状態で、おもいっきり甘く。鼻を鳴らすかの如く鳴いてみたのだ。
すると・・・目の前のニンゲンは、しばらくボクの様子をじっと見つめた後、ゆっくりと、岩を振りかざした手を下げた。
悪魔のような形相がなくなり、不思議そうにクビをかしげながら、コッチに歩み寄って来た。
そして、ボクに、肉のかけらが少しだけ残った、猪(イノシシ)の骨を、差し出して来た。
ボクはそのまま、ニンゲンの差し出す、猪(イノシシ)の骨を、美味しそうに咥えた。
なんだこの感覚は・・・ボクたちオオカミの、天敵とも言える、ニンゲンと心が通ったとでも言うのだろうか?
ニンゲンからは殺気が消えている。ボクが骨を咥えているのを、顔をしわくちゃにして見ている。
ボクは全身の力を抜いたまま、軽快なリズムで尻尾をフり続けている。妙な心地よさがある・・・。
これは一体・・・。
この時のボクの行動は、オオカミ史にとんでも無い変化をもたらせることになる歴史的な瞬間だった。
なぜ歴史的な瞬間だったのか?
オオカミに新たな「生存のフラグ」が立った瞬間だからだ。
この瞬間から後に、 オオカミに立ったフラグは、オオカミの思考の集積点に集約され、同系統のオオカミたちに、ゆっくりと再配信された・・・。
ゆっくりと、1代、2代、3代・・・10年、20年、30年・・・ゆっくりと。
ボクたちの仲間、子孫、オオカミが、闘えば必ず殺られるのが明らかに分かるほど、特別に強いニンゲンと対峙した時。
唯一無二生き残る術・・・。
全身の力を抜き、視線を、目の前のニンゲンから下に反らし地面に落とす。ベロを出して、尻尾を軽快なリズムでふる。その状態で、おもいっきり甘く。鼻を鳴らすかの如く鳴いてみる。
「く~ん♪」
10世代、20世代、30世代、100年、200年、300年「生存のフラグ」は悠久の時間(とき)をかけて、ゆっくりと再配信されて行く・・・。
よりよい生き残るための言動は、思考の集積点に集約され、再配信。
これを何度も何度も繰り返しながら・・・。
「生存のフラグ」が立った頻度の高い情報が、地球上に散らばる、同系統のオオカミたちへとゆっくりと広がって行く。
331犬種4億匹のボクたちの仲間たち
2015年・・・オオカミの子孫の一部たちは、「イヌ」と呼ばれ、ニンゲンと一緒に暮らしている。
オオカミから、進化成長を遂げて、イヌとなったものたちの大多数は、ニンゲンによって、よりニンゲンの趣味嗜好に合わせる形で品種改良が繰り返されていった。
13万5,000年前・・・地球上でたったの数百万人しかいなかったニンゲンは、イエス・キリスト・・・と呼ばれる男が誕生した時を起源(紀元)と定め、さらにその(紀元前)2,400年前に1億人に到達し、2011年には70億人を突破。
覇者となったニンゲンに仕えるべくオオカミから進化成長を遂げたイヌも、爆発的に増えた。
-
飼い慣らされないオオカミに対して、ヒトに飼いならされるイヌ。
-
顎の筋肉が多く、顎の力が強いためつり上がり怖い顔つきのオオカミに対して、顎の筋肉を退化させてヒトに寵愛される顔つきになったイヌ。
-
系統だった種内コミュニケーションを発達してきたオオカミに対して、名残を多少持つもののヒトにいつでもなびくために、統一されないイヌ。
-
ニンゲンとコミュニケーションを取ろうとしない、独自の複雑な鳴き声をするオオカミに対して、ニンゲンの言葉で理解しやすい、「ワン」と吠えるイヌ。
-
ニンゲンに媚びない尻尾のオオカミに対して、ニンゲンに媚びるために巻尾をするイヌ。
-
野生として生き抜くために、体型が統一化されているオオカミに対して、ニンゲンの趣味嗜好に適応する形で、用途によって体型全く異なるイヌ。
他にもオオカミと異なり、イヌには・・・狼爪と犬歯が退化。
何も考えないバカに徹するために、小さくなった脳。・・・他。
オオカミとしての道を貫き通すのではなく、ニンゲンに従い媚びるために進化成長を遂げた・・・。
その結果、イヌへ進化成長を遂げたオオカミの子孫たちは、爆発的に増加した。
国際畜犬連盟(F.C.I)が公認する331犬種を公認し、その内176犬種を登録してスタンダードを定めている。世界全体では、約4億匹のイヌがいるとされ。
地球上に生息する動物界の中、ニンゲンについだ、準覇者となった。
(ネコとやらも多いらしい。。がボクたちが2位だと主張したい。)
追伸
「生存のフラグ」が立つと、「意志の集合体」へと送信され・・・。
そして、時間をかけてゆっくりと全体に対して再配信される。
これは、オオカミ→イヌだけでなく、サルから進化成長を遂げた、ニンゲンも同じであるようだ。
地球上のありとあらゆる生物が、「生存のフラグ」が立つと、「意志の集合体」へと送信され、ゆっくりと全体に対して再配信される。
たとえば、ニンゲンという全体として、再配信されるもの・・・。
ニンゲンの男女として、再配信されるもの・・・。
ニンゲンの「門」毎に、再配信されるもの・・・。
さらに細分化されると・・・ライフスタイル・・・生産(仕事)、消費(余暇)、再生産(家族生活)として再配信されるもの・・・。
ニンゲンがそれぞれ、認識のダイヤルを合わせるだけで、
「アレ、勉強していないのに、なんでできるの?」
・・・も、この仕組みによるものであるようだ。
けれども、そういう「送信」と「再配信」がされづらい種類の「生存のフラグ」というものが、極稀に存在する。
生物としての、動物としての、永久の時間をかけて、進化成長を遂げて育まれた、本能、感情・・・のようなものとは、あまりにも対極的に位置される「特異点」であるからだ。
その一つが、「金融工学」・・・。こればかりは、ほんの僅かな・・・地球上の全人口の中の、ゴクゴク一部のほんの一握りほどのニンゲンには、「再配信」されているようだが・・・。
一般的に、「再配信」を待ち続けていても、永遠に配信されないだろう。
大多数の「ニンゲン」にとっては、仮に「門」のダイヤルを合わせたとしても、「再配信」は受けられない。
「門」
https://sanadakoumei.com/lp/shura/
「情報」を自らの意志で、取りに行かないと永遠に得られない。
結果、「金融工学」を活用した者は、地球上で「覇者」の中の「覇者」となるようだ。
「再配信」はされない
https://www.facebook.com/events/798273896932358
あなたは借金が怖いですか?
私は死ぬまでに<1,000兆円>の借金をすることが夢なのですが…