【斬】FX（外国為替証拠金取引）投資のミセスワタナベを確認してみる

FX（外国為替証拠金取引）投資に関わる人なら誰しも、一度は聞いたことがある言葉があります。それがミセス・ワタナベ（Mrs. Watanabe）という言葉です。

このミセス・ワタナベ（Mrs. Watanabe）とは、FX（外国為替証拠金取引）投資を小口で行う、主婦層を中心とした女性や現役サラリーマンなどの日本の個人投資家を意味します。欧米の報道機関により名付けられたものです。

FX（外国為替証拠金取引）投資の都市伝説ミセスワタナベを確認してみる

1998年の外国為替及び外国貿易法が改正されたのをきっかけに、日本国内でも取り扱いが可能になったFX（外国為替証拠金取引）投資。その後インターネットの普及と合わせて、主婦層や現役サラリーマンまで、幅広い個人に広がって行きました。

そんな中、大体2007年頃になると、東京を中心とした銀行間取引市場（インターバンク市場・・・電話とネットワークによって構成される市場）にて、おかしな現象が起こり始めたのです。

それは、為替相場の方向性が、にほん時間の昼を過ぎてから午後になるタイミングで、相場を反転させる大きな要因が無いにも関わらず反対方向（ドル買い）に動く現象が頻繁に見られるようになったのです。

この原因を探っていくと、主に日本の主婦やサラリーマンを中心とした個人投資家が、会社やパートなどの昼休みの時間を利用して、レバレッジを効かせて一斉に円売り・ドル買いの注文を出していたことが判明。相場を左右させるほどの日本の個人投資家の資金力を世界中に魅せつけたのです。

海外でよく知られる日本人の姓の一つ「ワタナベ」から、イギリスの経済誌「エコノミスト・2007年3月27日号」にて、この社会現象を報じる時に「ミセスワタナベ」とう言葉が始めて使われたのです。

そもそも日本の主婦やサラリーマンなどの個人投資家に、FX（外国為替証拠金取引）投資の手法が広まったキッカケは、ひとつの脱税事件の報道です。報道によると、2002年から2005年までの3年間に、東京都世田谷区に住む50代の主婦が、FX（外国為替証拠金取引）投資で約4億円の所得を得たにも関わらず申告せずに、約1億3,000万円もの大金を脱税した所得税法違反容疑で逮捕。2007年に起訴されて有罪判決が言い渡される事件が報道されたのがキッカケです。

これが、インターネットの普及に伴い、その報道を噂する者、その報道を利用してFX（外国為替証拠金取引）投資を促す取引業者、様々な方向性から爆発的に一気に主婦やサラリーマンに広がって行き、彼らが個人投資家としてFX（外国為替証拠金取引）投資に目覚めてしまったというわけなのです。

ただし、一時期は「ミスワタナベ手法」と言われる、この取引方法が広がって行きましたが、大口のプロディーラーがこの動きを利用するようになりました。

相場の取引が薄くなり少ない注文でドルが下落する（円高になる）時間帯を狙って、ストップロスを狙う形で、「ミスワタナベ狩り」をするようになってしまったのです。

さらには、2011年3月17日に一時1ドル76円台に高騰した円高ドル安も、投機筋に「ミスワタナベ狩り」と囁かれる程、「バカの一つ覚え」的な動きしかしない「ミスワタナベ手法」は、各大口プロディーラーから徹底的に対策をされ、「ミスワタナベ手法」でFX（外国為替証拠金取引）投資に臨んでいた、多くの主婦や現役サラリーマンなどの個人投資家は、その持てる資産の大多数を溶かしてしまったのです。

以上が、投資業界都市伝説として囁かれている、「ミスワタナベ」と「ミスワタナベ狩り」の真相なのです。

ちなみに、インターネット上には、情報商材やEブックのたぐいを通して、「ミスワタナベ手法」時代の成功体験や、成果の証拠を元に、既に使えなくなった「ミスワタナベ手法」を元にした、もっともらしいノウハウや、それを元にシステムを組んだツールが、いまだに「最新の手法」「最新のツール」としてはびこってしまっています。

これらの大多数は、既に使えない手法にも関わらず、「自己責任」というもっともらしい言葉と共に、嘘の手法を教えて、その情報やツールの販売利益や、FX（外国為替証拠金取引）取り扱い業者からの口座開設コミッションや、投資家の取引金額に応じてもらえるピップバック(Pip Back）と呼ばれる利益シェアによって稼いでいるだけの、悪徳な業者ばかりです。

少なくともこのアメブロ【斬】の僕たちは、彼らの手法に絶対に騙されないようにしましょう！