①実行機能の障害:計画・セット転換・抽象的思考、作業記憶、言語の流暢性 →前頭葉のdlpfと関連している. 行に特異的にかかわった.同じ課題でしらべた小脳失調患者はsmooth-pursuitの実行障害に加えて作業記憶と運動 準備機能不全を呈した.一方,Parkinson病では作業記憶は正常であったが課題特異的な運動準備不全を呈した.こ それは小脳が自転車に乗る方法を記憶したからです。. 睡眠中、脳はどのような状態になっていると思いますか?脳も休息をしていて働きを止めているのでしょうか? 睡眠時の脳がどのようになっているのか、翌日の作業効率がよくなる睡眠のコツなどを甲南大学の知能情報学部・知能情報学科准教授 前田多章(まえだ かずあき)先生に伺いました。 逆に、一旦自転車に乗ることを覚えてしまえば、. 担当編集委員:田中 啓治(国立研究開発法人理化学研究所 脳科学総合研究センター) 作業記憶、作動記憶とも呼ばれる。ワーキングメモリの構造や脳の関連部位を調べる研究が多数行われている。一般には、 前頭皮質、頭頂皮質、前帯状皮質、および大脳基底核の一部がワーキングメモリに関与すると考えられている。 ワーキングメモリの研究は、人間の行動実験や脳損傷事例� DOI:10.14931/bsd.2596 原稿受付日:2016年1月24日 原稿完成日:2016年4月12日 文献「言語作業記憶における小脳予測の破壊【jst・京大機械翻訳】」の詳細情報です。j-global 科学技術総合リンクセンターは研究者、文献、特許などの情報をつなぐことで、異分野の知や意外な発見などを支援する新しいサービスです。またjst内外の良質なコンテンツへ案内いたします。 担っているのに対し、小脳は「無意識」を. 何も考えなくても乗れるようになりますよね。. こうして考えると、大脳が「有意識」を. 小脳ー前頭前野ー後頭頂葉ー上側頭葉ー辺縁系に及ぶ神経回路の調節に異常をきたす症候群. 「海馬」ではなくて、「大脳基底核」と「小脳」じゃ。 「手続き記憶」(技の記憶)で中心的な役割をはたしているのは、海馬ではなくて脳のずっと奥にある「大脳基底核(だいのうきていかく)」と、後ろ側の下のほうについている「小脳(しょうのう)」です。 DOI:10.14931/bsd.2076 原稿受付日:2012年7月4日 原稿完成日:2015年4月15日 手続き記憶(技の記憶)で中心的な役割を果たしているのは、脳のずっと奥にある大脳基底核(だいのうきていかく)と、その後ろ側の下方に位置する小脳です。 手続き記憶は、自転車に乗れるようになるとか、うまく楽器の演奏ができるようになるというような記憶で、同じような経験の繰り返しにより獲得される。しかしその情報をいつ、どこで獲得したかについての文脈情報記憶は消失する。また記憶が一旦形成されると、意識的な処理を伴わず自動的に機能し、長期間保存されることも手続き記憶の特徴の一つとして知られている。一般的に長期記憶の内容による区分として、陳述記 … ワーキングメモリは認知心理学で用いられる構成概念で、作業記憶、作動記憶と呼ばれることもあります。脳の前頭前野の働きの一つで、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し処理する能力で、私たちの行動や判断に影響しています。なかなか馴染みのない言葉ですが、実は私たちの日常に 東北大学高次機能障害学 一般的に、小脳が障害されると運動の速度が遅くなるとともに運動のリズムが不正確になる 。運動のタイミングに関して、以下のような検査法が知られている。代表的な小脳症状に反復性拮抗不全 (adiadochokinesis)がある(図1A)。これは例えば、手のひらをくるくる回すなどの主動筋と拮抗筋を交互に活動させる動作を行う時に、滑らかな一定のリズムで動かすことができないという症状であり、リズム形成の障害と考えられる。 タッピング課題(図1B)は、音や光の点滅による指示に従って一定の … こういうことが近年判明してきたのです。. まず本題に入る前に簡単な基礎知識を。記憶と一口に言うけれど、柿木教授によると、実は色々種類があるそうです。「一般的には大きく『短期記憶』と『長期記憶』に分かれます。短期記憶は数時間から数日単位で消えていく一時的な記憶です。『今朝、朝ご飯に何を食べたか?』を覚えているような種類の記憶です」。 短期記憶を処理するのは脳の中にある海馬で、フィルターの役割をしています。記憶が次々入ってくるとフィ … 永雄 総一 協調運動障害とはどのような症状なのか、その原因や特徴、治療法、社会復帰のための就労移行支援についてご紹介。協調運動障害のある方も就労移行支援をうまく活用することで適職が見つかります。チャレンジド・アソウは仕事探し、就職や転職、企業の雇用のお手伝いをします。 また、短期の記憶の中で感覚刺激の後にごく短時間感覚した内容を保持する機能を短期記憶から分けて感覚記憶として分類する考え方もあります。情報処理の過程で使われる短期記憶は作業記憶(working memory)と呼ばれます。 しさらにくりかえし練習すると、練習に使った手に固有の技能としての記憶 が小脳を中心とした領域に形成される。今後、宣言的記憶と作業記憶のシス テムを含む総合的なネットワークモデルを試みる。 4.研究の体制 期 間: 1996年10月~2001年3月 小脳は、脳の後ろ側にぶら下がるような感じでくっついています。小脳の構造も大脳のそれと似ていて、小脳皮質と白質からなります。 小脳はその名が示すとおり大脳よりも小さいですが、大脳同様表面がしわしわになっており、その量は大脳よりも多く、細かいです。どれくらい細かいかというと、しわをそれぞれ伸ばして広げたら小脳の方が大脳の2倍もの大きさになるくらいです。しかも、脳の神経細胞は約140億個ですが、 … 東北福祉大学 小脳外側部の圧迫によって視覚性記憶障害を呈した失調症患者の一症例 71 理学療法評価 本症例の主訴が、「立った状態でふらつく」、「立った ままでズボンの上げ下ろしができない」、「歩くときにふ らつく」ということから、これらの訴えを基本に問題点を 小脳が記憶してはじめて自転車に乗れるように. 電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・通信工学専攻・情報理工学部 情報・通信工学科 なるわけです。. このモデルの基礎をなす、小脳の内部モデル仮説である。 小脳は運動制御のためにあるというのがこれまでの常識であった。ところが最近の研究は、この考え を根底からくつがえし、ヒト小脳は高次認知機能で活動することがわかった(1)。小脳の異なる部位は、 脳は、さまざまな記憶を数カ月、数年という長期間保つことができますが、ある種の記憶は形成されたときから同じ脳部位に保存され続けるわけではなく、時間が経ち、遠隔記憶になるにつれて、次第に異なる脳部位に移動することが知られています。特に過去の体験についての記憶(エピソード記憶)は、形成された直後(近時記憶)は海馬に保存されるものの、時間経過とともに大脳皮質に移動し、そこで遠隔記憶として固定 … 文献「小児小脳疾患における作業記憶障害【jst・京大機械翻訳】」の詳細情報です。j-global 科学技術総合リンクセンターは研究者、文献、特許などの情報をつなぐことで、異分野の知や意外な発見などを支援する新しいサービスです。またjst内外の良質なコンテンツへ案内いたします。 ccasの特徴. 手続き的記憶:規則や手順に関係する知識で, スキルフルな行動,習慣や手はずに反映されるも のである.この獲得には繰り返しが必要で,これ は「技能の記憶」と呼ぶことができる.例えば書 字,箸,運転,ピアノ,自転車,ワープロなどが これにあたる. 藤井 俊勝 この2種類の記憶は、両方とも脳を使って記憶している点では同じですが、手続き記憶で中心的な役割をはたしているのは、海馬ではなくて脳のずっと奥にある「大脳基底核」と、後ろ側の下のほうについている「小脳」です。 ここで大切な事は小脳の記憶メカニズムでは、「繋ぐ」のではなく、「切る」作業が行われると言う事です。 大脳はニューロンを繋ぐ事で記憶するのに対し、小脳はプルキンエ細胞を切る事で記憶していき … 指先の細かな作業なども小脳の働きといわれている。 自動車の運転、スポーツ等、細かな動きを覚えていなくても小脳の働きで動作できる。(身体で覚えるといういわれ) 小脳がこれらの動きを記憶して無意識に動作できるようにコントロールしている。 一般の記憶術は、動作と記憶をセットにする事で一時的に記憶作業を小脳に渡すやり方なのです。 普通の記憶のやり方は、大脳を使って海馬で起こっている。 だから、こっちの記憶は記憶の書き換えが起こせるという利点がある。 担当編集委員:一戸 紀孝(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所), 運動を正確に行うには、複数の筋が協調して活動することが必要である。それには筋をそれぞれ適切な強さ(ゲイン)と的確なタイミングで収縮させるような制御が必須である。小脳は運動のゲインを制御するのみならず、同時に数十ミリ秒〜数百ミリ秒の単位のタイミングの制御に重要であることが、臨床医学、生理学や計算論的な研究により示唆されている。ここでは、小脳によるタイミング制御の研究に用いられる運動や認知機能の課題を紹介し、そこから推定される小脳のタイミング制御のメカニズムと特徴について解説する。, 一般的に、小脳が障害されると運動の速度が遅くなるとともに運動のリズムが不正確になる 。運動のタイミングに関して、以下のような検査法が知られている[1]。代表的な小脳症状に反復性拮抗不全 (adiadochokinesis)がある(図1A)。これは例えば、手のひらをくるくる回すなどの主動筋と拮抗筋を交互に活動させる動作を行う時に、滑らかな一定のリズムで動かすことができないという症状であり、リズム形成の障害と考えられる。, タッピング課題(図1B)は、音や光の点滅による指示に従って一定のリズムでボタンを押し、指示が消えた後もそのリズムでボタン押しを続けられるかを調べるものである。健常者は指示されたリズムでボタン押しを続けることができるが、小脳疾患の患者はボタン押しのタイミングにばらつきが生じることが知られている。, 時間長弁別課題(図1C)は、持続の長さの異なる2種類の音を間隔をおいて提示し、その持続時間の違いを問う課題であり、小脳の認知機能を調べるものである。音声言語医学の分野では、小脳症状の検査として、Voice Onset Time (VOT)の生成と認識の課題が利用される(図1D)。「バ」と「パ」等の無声破裂音と有声破裂音では、第一フォルマントの立ち上がりのタイミングに数十ミリ秒の違いしかない。その発音には構音筋の微妙な協調運動を必要するため、小脳疾患の患者では発音を仕分けるのが困難になる。またその聞き分けは、時間長弁別課題と同様に小脳の認知機能に関係する。, 小脳のタイミング制御機構を実験的に検討するのに、瞬目反射条件づけのパラダイム(図 2A)が用いられる[2]。遅延型瞬目反射条件づけとは、無条件反射(Unconditioned Stimulus, US)である瞬きを引き起こす無条件刺激 (眼球へのエアパフ刺激)と、音やフラッシュ光による条件刺激(Conditioned Stimulus, CS)を組み合わせて提示することを繰り返すと、CSだけで瞬きをするという条件反応(Conditioned Response, CR)が生じる運動学習である。この反射の目的は、CSが提示されるタイミングを予測し、その時点で眼を閉じることを学習することで、侵害刺激であるUSを回避することにある。瞬きは刺激開始直後ではなく、エアパフのタイミングに同期して起こることが重要である。, 図2Bに遅延型瞬目反射条件づけに関係する神経回路を示す。エアパフの情報(US)は、眼球の知覚を司る三叉神経核から、下オリーブ核を経由し、登上線維によって小脳皮質の第VI小脳半球のプルキンエ細胞とその出力先である小脳中位核と歯状核に、それぞれ伝えられる。音に関する情報(CS)は、蝸牛神経核から橋核を経て、苔状線維により、同じく第VI小脳半球の顆粒細胞に送られるとともに、その側枝により、第VI小脳半球のプルキンエ細胞の出力先の小脳中位核と歯状核にも送られる。従って、小脳皮質と小脳核にはそれぞれ苔状線維と登上線維の入力によりCSとUSの情報が伝えられることになる。小脳核の出力は赤核を経て、瞬きを引き起こす筋群を駆動する顔面神経の運動核と外転神経核に伝えられる。, 遅延型瞬目反射条件づけに小脳を含む神経回路が重要な役割を演じていることが、破壊実験や薬物を用いた不活化の実験、神経活動の記録実験の結果により示唆されている。条件づけを行なう前に小脳皮質を破壊すると、いくらトレーニングを行なってもCSに同期した正確なCRが生じない。また条件づけが生じた後に小脳皮質を破壊すると、CSのタイミングに同期したCRが消失する。このことは小脳皮質がCSの時間情報を正確に反映する条件づけに必要であり、CSとCRの連合には主に小脳核が関与していることを示唆する。, 小脳皮質の平行線維―プルキンエ細胞間シナプスには、登上線維入力によって長期抑圧(long-term depression, LTD)と呼ばれる可塑性が生じる[3]が、これが小脳皮質によるCSのタイミングの学習の原因であるという仮説が提出されている。これについては以降で解説する。, 神経細胞集団の同期したスパイク発射や膜電位の小さな振動が、脳の情報処理の基盤となるという仮説が、海馬や大脳皮質視覚野について提出されている[4]。小脳でも複数の場所で神経活動の同期振動が見られ、それがタイミング制御に関係しているとする考え方が提出されている。小脳皮質の顆粒細胞層の局所電場電位に、10Hz程度の同期的振動があることが知られている。顆粒細胞層は顆粒細胞とゴルジ細胞からなるが、この同期的振動に、これらの神経細胞の膜の性質や神経細胞間ネットワークなどが関与することが示唆されている(次節参照)。この振動は主に動物が静止している時に観測され、運動開始とともに消失するのが特徴であり、運動の開始に関係すると考えられている[5]。小脳皮質に登上線維を送る下オリーブ核の神経細胞には電気的結合があり、その膜電位にも小さな10Hz程度の同期振動が見られる。ハルマリンHarmalineを全身投与すると、全身に10Hz程度の振戦症状が出現することから、下オリーブ核の神経細胞の同期的振動が、小脳のベースクロックとなるという考え方が提出されている[6]。ハルマリンはモノアミン酸化酵素の阻害作用をもつ向精神性アルカロイドで、下オリーブ核の神経細胞の膜電位を発振させる薬理作用を持つが、その機序はよく分かっていない。しかしながら、無麻酔覚醒の動物から記録される下オリーブ核の神経活動(複雑発射)には同期する傾向はなく、むしろ運動の開始や運動誤差を反映していることが報告されており、この考え方は広く認められるにはいたっていない[7] [8] [9]。, 小脳のタイミング制御機構については、遅延型瞬目反射の条件づけの実験をもとに、理論モデルが提案されている。, 図3Aに、条件づけに関係する小脳皮質と小脳核の神経回路を示す。小脳の出力細胞であるプルキンエ細胞には、苔状線維の入力を受けた顆粒細胞の軸索突起である平行線維を介して、CSの時系列を反映する情報が伝えられる。CSが呈示されると、小脳核は興奮性入力とプルキンエ細胞を介する抑制性入力をともに受けるので強く興奮できず、その結果CRは生じない。USの信号は登上線維によってプルキンエ細胞に伝えられているので、CSとUSを同時に提示することを繰り返すと平行線維―プルキンエ細胞間シナプスに長期抑圧がおこり、USが生じる時に活性化する平行線維とプルキンエ細胞間のシナプスの伝達効率は低下する。その結果、小脳核はCSに対して強く興奮するようになり、CRが生じるようになる。, このように長期抑圧が遅延型瞬目反射条件づけの原因であると仮定すると、CS呈示開始からUSまでの時間経過の情報が、平行線維―プルキンエ細胞間シナプス入力という空間情報に変換されることが必要となる。もしCSが呈示されている間、異なる顆粒細胞集団が時系列的に順番に活動するものとすれば(図3B)、USが生じた時点で活動している顆粒細胞の平行線維が形成するシナプスのみが長期抑圧によって減弱されるが、他の顆粒細胞集団が形成する平行線維のシナプスは影響を受けないことになる(図3B)。しかしながら、顆粒細胞は小脳皮質の他の神経細胞に比べ小さくかつ数が極めて多いので、無麻酔覚醒の動物を対象にした微小電極による細胞レベルの解析は技術的に困難であり、顆粒細胞の集団の活動がCSの時系列を反映しているかどうかについては、実験的に検証されていない。, 顆粒細胞の集団がCSの時系列をコードする可能性については、理論モデルを用いたシミュレーションによる研究がなされている[10]。図4はその代表例である。顆粒細胞層は顆粒細胞とゴルジ細胞からなり、顆粒細胞はゴルジ細胞を興奮させゴルジ細胞は顆粒細胞を抑制する。即ちこの2種類の神経細胞からなる神経回路は抑制性フィードバック回路を形成する(図4A)。ここで、ゴルジ細胞-顆粒細胞間の結合が空間的にランダムだと仮定すると、時間的に定常的な入力に対して、各顆粒細胞はそれぞれ異なる時間パターンで間欠的にスパイクの発射活動と停止を繰り返すことが可能である(図4B)。つまり集団として見ると、ある特定の時刻で活動する顆粒細胞の集団は一意に定まり、かつ活動する顆粒細胞集団は時間経過とともに徐々に変化することになる。従って、活動する顆粒細胞集団が遷移することによって、CS呈示開始からの時系列を表現することが可能になる。この様な考え方に基づいて、遅延型瞬目反射条件づけを計算機シミュレーションにより再現することが可能である(図4C,[10])。今後このようなモデルに対する実験的検証が望まれる。小脳プラットフォーム[11]にはこのモデルを含めた様々なモデルが登録されているので、参照されたい。, 時間情報は脳の様々な部位で表現され、運動制御や認知機能に利用される。小脳のタイミング制御の特徴は、無意識で行われる前向き制御の運動のタイミングを学習により正確にすることであり、制御できる時間は数十ミリ秒~数百ミリ秒の範囲である。一方、大脳皮質の時間情報処理は、ワーキングメモリー(作業記憶)を特異的にコードする神経細胞があることからもわかるように、制御できる時間は数百ミリ秒~数秒以上にわたり、かつ意識されることが特徴である。また、その時間情報の精度は小脳ほど正確ではない。大脳基底核の障害では、パーキンソン病のように自発的な運動が全般的に遅くなるような症状と、舞踏病やチックのような急速な不随意運動と、対極的な症状が出現する。大脳基底核の機能については、運動によって生じる報酬の予測という考え方が主流となっているが、これが運動の遅延と急速化という2つの対極的状態とどのように関連するかは今のところ知られてはいない。小脳障害では、運動の開始が遅延し、運動のリズムが遅くなることがしばしば生じるが、これは、感覚フィードバックを用いる運動に比べて十分に速い運動を可能にする小脳による前向き制御の障害によるものと解釈される。瞬目反射条件づけの例が示すように、小脳皮質のタイミング学習の目標は、あくまでも、運動を起こす時間を正確にすることにより運動誤差を最小にすることにある。ヒトでは小脳皮質のタイミング学習は認知機能とも深く関わっているようであるが、その詳細については今後の研究課題である。, https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=小脳によるタイミング制御&oldid=31785, Attribution-NoDerivatives 4.0 International. *corresponding author, 英語名:procedural memory 独:prozedurales Gedächtnis 仏:mémoire procédurale, 手続き記憶は、非陳述記憶のひとつで、自転車に乗れるようになるとか、うまく楽器の演奏ができるようになるというような記憶で、同じような経験の繰り返しにより獲得される。一旦形成されると、意識的な処理を伴わず自動的に機能し、長期間保存される。内容によって運動性技能、知覚性技能、認知性技能 (課題解決)の3種が区別されている。大脳基底核や小脳が中心的役割を果たす。, 手続き記憶は、自転車に乗れるようになるとか、うまく楽器の演奏ができるようになるというような記憶で、同じような経験の繰り返しにより獲得される。しかしその情報をいつ、どこで獲得したかについての文脈情報記憶は消失する。また記憶が一旦形成されると、意識的な処理を伴わず自動的に機能し、長期間保存されることも手続き記憶の特徴の一つとして知られている。一般的に長期記憶の内容による区分として、陳述記憶 (宣言的記憶とも呼ばれる)と非陳述記憶 (非宣言的記憶とも呼ばれる)があり、手続き記憶は非陳述記憶に分類される[1]。, 手続き記憶には、その内容によって運動性技能、知覚性技能、認知性技能 (課題解決)の3種が区別されている。例えば、先に述べた自転車の運転や楽器の演奏などは運動技能であり、鏡文字の読み取りなどは知覚性技能、複雑なパズルの解き方などは認知性技能にあたる。いずれの場合も意識にはのぼらないが、反復により次第に習熟するような技能であり、行動に記憶が反映されることが特徴とされている[2]。, 手続き記憶の神経基盤については、これまでの研究から、大脳基底核や小脳が中心的役割を果たすと考えられている[1]。エピソード記憶の選択的障害を呈する健忘症候群(例えば内側側頭葉病変後)では手続き記憶が保たれる一方[3] [4] [5]、パーキンソン病やハンチントン病、小脳変性症といった大脳基底核疾患・小脳疾患では重篤なエピソード記憶の障害はみられずに手続き記憶が障害される [6] [7]。, 獲得する技能の種類 (運動性技能・知覚性技能・認知性技能)によって、大脳基底核や小脳以外の皮質領域が関わることも知られている。運動性技能は、回転する円盤上に設定した標的に針先を接触させておく回転盤追跡課題や、鏡に映し出された図形を見て、素早く正確に図形をなぞっていく鏡映描写課題などによって評価される。両側の内側側頭葉損傷後の重篤な健忘症患者やアルツハイマー病患者では、これらの運動性技能が獲得されたことが先行研究で報告された[3] [4] [5]。これらの知見から、運動技能学習には内側側頭葉や海馬以外の脳領域が関与することが示唆された。, 一方、大脳基底核の障害を主病変とするパーキンソン病患者やハンチントン病患者では、回転円盤追跡課題や鏡映描写課題の学習が障害されることが報告されている[8]。他にも、複数の反応ボタンの中から視覚刺激に対応したボタンをあらかじめ決められた順番で素早く押していくような系列学習課題において、パーキンソン病患者や小脳変性症患者では学習効果が得られないことが報告されている[6]。さらに補足運動野損傷の患者でも、同様の系列学習課題で学習が成立しないという報告がある[9]。これらの知見から、運動性技能には大脳基底核、小脳以外に補足運動野などが関与していることが示唆されている。, 知覚性技能の検討には、鏡映読字課題が頻繁に用いられる。この課題は鏡に映った裏文字を素早く読むことが要求される。同課題を施行した健忘症患者は学習効果が認められる一方で、パーキンソン病患者や脊髄小脳変性症患者では読みが順調に学習されなかったことが報告されている[4] [10]。このことから、運動性技能と同様に、知覚性技能の学習においても大脳基底核と小脳が中心的な役割を果たしていることが考えられる。さらに、健常者を対象にした機能的核磁気共鳴画像法 (functional magnetic resonance imaging: fMRI)を用いた研究では、鏡映読字課題の学習に尾状核 (大脳基底核の一部)や小脳、それ以外にも下前頭回、下側頭回、頭頂葉、後頭葉など複数の皮質領域が関与することが報告されている[11]。, 認知性技能を評価する課題で最も頻繁に用いられる課題に、ハノイの塔がある。3本の柱のうち左端の1本に大きさの異なる円盤が大きいものから順序よく重ねられている。被験者はルールに従い、右端の柱に同じ順序で移し変えなければならない。ルールは、①1度に1つの円盤しか動かしてはいけない、②小さな円盤の上にそれより大きな円盤を置いてはいけない、の2点である。この複雑で高い知的能力を必要とする課題を健忘症患者は遂行することができ、解き方の手順も学習可能であることが報告されている[5]。, またトロントの塔というハノイの塔と類似の課題をパーキンソン病患者やハンチントン病患者に施行した先行研究もある。この研究では、パーキンソン病患者と健常対照群の課題成績を比較しており、パーキンソン病患者では明らかな成績低下が認められたことを報告している。さらにハンチントン病患者でも同様の障害を認めることが示されている[7]。ハノイの塔やトロントの塔では、課題遂行中に間違った手順に気が付く、最終的なゴールを意識しておくといった複雑な心理過程が関わっており、この複雑な手順や方略には前頭前野の関与が大きいと考えられている。前頭前野と線条体はいくつかの回路による連絡があり[12]、認知性技能の学習には線条体-前頭前野回路が重要な役割を果たしていることが推測される[2]。, https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=手続き記憶&oldid=35627, Attribution-NoDerivatives 4.0 International. 川﨑 伊織* 注意,作業記憶,言語など,脳のもっとも高次な機能を必要とする課題を被験者に要求すると,ほぼ例外なしに大脳皮質前頭葉に強い活動が現われる。驚くべきことに,そのような状況で,小脳がしばしば同じように強く活動するのである(Decety et al,1990;Kim et al,1994;Gaoet al,1996;Desmond et … 2. 右の小脳損傷(後下小脳動脈閉塞)⇒単語連想課題を学習できない 3. fmri ペグボードパズルの方が、単なるペグ打ちよりも 歯状核と外側小脳が活性化。しかも、その歯状核は、 作業記憶に関する大脳皮質の領野からの入力を受ける部分に対応 山崎 匡 独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター