ある日お母さんヤギは森へ行き、食べ物をとってきたいと思いました。. 狼と七匹の子山羊(おおかみとしちひきのこやぎ、 Der Wolf und die sieben jungen Geißlein )は、悪い狼を懲らしめるというグリム童話の一編(KHM 5)。 AT番号123 The Wolf and the Kids. 須田 康之. オオカミに食べずとも死んでしまった。 ……とかいって、有名なお話なので、知らない方のほうが少ないかもしれませんが。, 多くの童話には、世界中で類型の話が存在する、というのは、結構有名なお話かもしれませんが、『狼と七匹の子山羊』も例外ではないように思います。ぱっと思い浮かぶところでは『三匹の小豚』といったところでしょうか。, 同じグリム童話である『赤ずきん』もありますが、これは『狼と七匹の子山羊』から1000年後に派生した物語であることがわかっています。, 『狼と七匹の子山羊』は、絵本で子供に読み聞かせをする定番のようにも思いますが、なんとなく子供に教えづらいところもあるんじゃないかなあ、と、読後間もない僕などは思っているのですが。, というのも、7匹の子山羊、お母さんの言いつけをしっかり守っていたのに、結局は狼に食べられてしまっているんですよねえ……。狼なんかの姑息な手に騙されるなよ、とはいえ、親の言いつけを愚直なまでに守ろうとする子山羊たちの姿は、リアルな子供の姿として僕には映り、そこが子供のかわいいところでもあるのではないでしょうか。, 子供からしたら「じゃあ7匹の子山羊はどうしたらよかったの?」とか疑問に思うような気がするのですが、う~ん、どうしたらよかったんでしょう? ここは諦めて、真の悪意の前に人は無力な存在である、的な教えを諭すべきなのでしょうか(おいおい……)。, ここが狐人的にはなかなか難しく感じて、ぜひ現役のお父さん山羊・お母さん山羊のご意見を伺ってみたいところでした。, 反対に、ラストは「勧善懲悪」としてわかりやすい展開ですよね。「悪いことをするとこうなっちゃうんだよ」の一言で済ませられる気がします。, ……しかしながらお母さん山羊、結構ひどいことしてるんですよねえ……、まあ、グリム童話といえばおなじみの結末といえますが(『狼と七匹の子山羊』は擬人化された動物の物語ということで、グリム童話の中でもまだ柔らかい終わり方のようにも思えますが)。, ここから、「悪いことしたからって、ここまでしちゃっていいの?」という問題提起ができそうですよねえ……。, 7匹の子山羊たちは命が助かったからこんなことも言えるわけですが、これを実際の誘拐事件などに照らし合わせて考えると、お母さん山羊の復讐をただただ非道だと非難することもできず……、冒頭の『お母さん山羊が子山羊たちを可愛がること、人間のお母さんと変わりない』といった旨の記述が、とても意味深に思えてきてしまいます。, ……童話なのに考えすぎ、と、自分でも思わなくもないのですが、「あらゆる残酷な空想に耐えておけ」というのは、真理なのではないでしょうか(ゆえに僕は空想する)。, ちなみに(復讐ついでに?)、『狼と七匹の子山羊』のラストについては、「夫を亡くした」お母さん山羊の、復讐劇だったとする説があります。, この物語にはお父さん山羊が登場しないわけなのですが、これはお父さん山羊がすでに狼に食べられていた、といった背景が、この物語にはあって、それをお母さん山羊のラストの行為に結びつけた説なのですが、僕が調べた範囲では、グリム童話のどの版にも、そんな記述はないようで、パロディとか類型の別童話などがあるのかもしれませんが、都市伝説の域は出ていないように思います。ただこのラストを、魔女裁判同様、実際にあった人狼裁判の処刑方法から発生したと見る見方は、とても興味深く感じました。, 他に、狼と山羊たちが和解して、仲良くなって終わるハッピーエンドが、あってもいいように思ったのですが、国立国会図書館のレファレンス共同データベースによると、そのようなものはない模様(しかしそんなことまで調べてくれるのですねえ、国立国会図書館のレファレンス)。しかしながら、狼の結末が明記されておらず、狼が謝って、今後悪いことをしないと誓うなら、お腹の中の石を取り除いてあげる、とお母さん山羊が提案して終わるものは相当数あるようですね。子供の情操教育的には、このようなラストのほうが、よりよいのかもしれません。, 最後に、ちょっと気になってしまっただけなのですが、狼がチョークを買って食べ、声を良くしたシーンですが。子山羊を丸のみにする原始的な狼にも、ちゃんと経済観念があるんだなあ……、ということを思ったわけではなくて(ちょっと思いましたが)、チョークを食べて声が良くなるものなのかなあ……、ということなのですが。これはグリム兄弟と同時代を生きた医師、ザムエル・ハーネマンが確立した「ホメオパシー」という医療法のなかに、チョークの成分である炭酸カルシウムが喉の薬である、といった記述があるのだとか。プラシーボ効果? 科学的な実効性はないそうですが、『狼と七匹の子山羊』を書いたグリム兄弟が、これを知ってモチーフにした可能性はありそうですよね(ちなみにこれも国立国会図書館のレファレンス共同データベースによる……、こんなことまで以下略)。, KHM 5 狐人的読書時間は約8分。, 昔、ある所に、お母さん山羊と7匹の子山羊が暮らしていた。ある日のこと、お母さん山羊は森へ出かけることになった。そこで子山羊たちを呼んで言い聞かせた。決して狼を家に入れてはなりません。狼はしゃがれ声で、足は真っ黒、すぐに見分けはつきますからね。, それからしばらくして、表の戸を叩く者があった。お母さんだよ、開けておくれ。子山羊たちは騙されなかった。お母さんの声はもっときれいな声だ。, 狼は、店でチョークを買って食べ、声を良くしてから再度子山羊たちの家へ。しかしまたしても子山羊たちは騙されなかった。狼の真っ黒な前足が窓のところから見えていたのだ。, 狼は、パン屋で小麦粉を塗って、前足を白くしてから三度子山羊たちの家へ。今度ばかりは子山羊たちも騙されてしまった。子山羊たちはそれぞれ家の中に隠れるも、つぎつぎと狼に捕らえられ、丸のみにされてしまう。満腹になった狼は、草原の木陰で大いびき。, 帰ってきたお母さん山羊は、荒らされた家を見て驚いた。子山羊たちを呼んだ。すると、柱時計に隠れていた末の子山羊が返事をして、お母さん山羊はことの顛末を知り悲嘆にくれた。それから外に出たお母さん山羊は、木陰で寝ている狼を見つけた。その腹がもそもそ動いているのを見た。, お母さん山羊は急いで家に戻ると、鋏と針と糸を持ってきた。鋏で狼の腹を切って、子山羊たちを救出すると、そのまま子山羊たちに集めさせた石を、狼の腹に詰めて、針と糸で縫い合わせた。, 目を覚ました狼は、喉が渇いて井戸へ。水を飲もうとするも、腹の石の重みによって、水の中に落ちて溺れた。お母さん山羊と7匹の子山羊は、大喜びで井戸の周りを踊りまわった。, さて、いかがでしたでしょうか。 須田 康之. 昔、子ヤギが七匹いる年とった山羊がいて、子供たちを愛する母親がもつありったけの愛で子供たちを愛していました。. 3月:09日、12日、15日、22日 Follow @n_nanatoshi. 一 むかし、あるところに、おかあさんのやぎがいました。このおかあさんやぎには、かわいいこどもやぎが七ひきあって、それをかわいがることは、人間のおかあさんが、そのこどもをかわいがるのと、すこしもちがったところはありませんでした。 をつぶやきます。 おおかみと七ひきのこやぎ、グリム童話,フェリクス・ホフマン,瀬田 貞二:1900万人が利用する絵本情報サイト、みんなの声109件、この本の素晴らしさを知ってほしい:グリム童話は残酷な内容を隠すことなく、伝えています。この本も...、有名なグリム昔話絵本の名作です。 「お前たち、私は森へ行かなくてはいけないの。. 5月:15日、21日, 「この日あいつから一通ずつメールがきたんだけど、なんなんだろうね? LINEあるし、普段メールなんてしないのにね。……内容? べつになんてことない内容だけど……」. 簡介: 《七隻小羊與大野狼》,英文名The wolf and the seven little kids,格林童話故事之一。 講述了山羊媽媽出去找食物,留下七隻小山羊在家。狼用花言巧語騙七隻小山羊開門,結果六隻小山羊被狼吞進肚子 … ある所にお母さん山羊と7匹の子山羊が暮らしていた。ある日、お母さん山羊は街へ出かけることになり、子山羊たちに「誰が来ても、決してドアを開けてはいけませんよ」と注意して家を出た。, そこへ狼がやって来るが、狼のがらがら声で「お母さんですよ」と言っても子山羊たちにはすぐに見破られてしまった。そこで狼は店でチョークを買い、それを頬張って声を変え再び子山羊たちの家へ。「お母さんですよ」と言うと、子山羊はドアの隙間から足を見せて欲しいと言うが、狼の足は真っ黒だったのでまたも見破られてしまう。, 狼は次にパン屋で足を怪我したと言いながら小麦粉を足に塗りたくって真っ白にし、三たび子山羊たちの家へ。ドアの隙間から白い足を見た子山羊たちは大喜びでドアを開けるが、間一髪で柱時計の中に身を潜めた末っ子の山羊を除いて狼に丸呑みされてしまう。, 子山羊を6匹も丸呑みにして腹一杯になった狼はそのまま眠りこけてしまう。そこへお母さん山羊が帰って来るが、末っ子から事の顛末を聞いたお母さん山羊は慌てずに眠りこけている狼の腹を鋏で切り裂いて子山羊たちを助け出す。そして、子山羊たちは狼の腹に石を詰め込んでお母さん山羊が縫い合わせた。, 狼が目を覚ますとやけに腹が重くなり、上手く歩けなくなっていた。喉が渇いた狼は井戸で水を飲もうとするが、腹に詰め込まれた石の重さで井戸の底へ転落して死んでしまう[2]。, チョーク(独: Kreide、炭酸カルシウム)を食べると声が良くなるという根拠は、ドイツの伝承や伝統的民間療法には無い。グリム兄弟と同時代のザームエル・クリスティアン・フリードリヒ・ハーネマン(Samuel Christian Friedrich Hahnemann、1755年4月10日-1843年7月2日)が打ち立てた医療法「ホメオパシー」には、「炭酸カルシウムまたは硫酸カルシウムが喉の薬である」との記述がある。, 本作の日本での紹介は古く、グリム童話より前の原型が、イエズス会の宣教師が持ち込んだ活版印刷機により、1593年に九州の天草で印刷されている。近代に入ってからは、1887年に「八ツ山羊」(呉文聡・訳)の表題で弘文社より刊行されている。, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=狼と七匹の子山羊&oldid=82798778.