専門は、情報化社会論、情報哲学、経営情報システム、オブジェクト指向技術等々、要するにテクノロジーと社会がホームグラウンド。 それではいよいよ、ウェブ解析士認定レポートの分析コメントの書き方です。 ここがもっとも難しいところです。 基本的には各セクションで書いたコメントを元にレポートをかいていきます。 アイコンは架空の人物です→ http://generated.photos, FintechスタートアップのData Developer 表紙の書き方. データ分析・機械学習・プロダクトマネジメント…etc まず補足として、レポートの書き方 の ... 、文献調査、現地調査、実地調査、アンケート、インタビュー、ソーシャルリスニング、データ分析、シミュレーションなど、領域によって様々な検証作業があります。 昨今では、ネットを使えば、多くのデータを入手できるようになって来ています� 株式会社ロックオンの松本です。 「人は見た目が9割」という本が今から10 4.「実験結果」の書きかた 実験の事実(データ・解析結果)を分か りやすく示す 計算過程を示す 観察事項を書く • データを表あるいはグラフでまとめる • 有効数字,単位(si単位系)に注意 • 直線化の工夫,対数グラフ 結果の質 生データ→表,グラフ→数式. 市場調査の実施後は、関係者にレポートや報告書で集計結果や分析内容を共有することになります。説得力ある内容にするために、報告のベースとなる市場調査報告書の項目や書き方の注意点、参考となる報告書のサンプルをまとめました。 レポートや卒業論文を提出する場合、本文の前に、必ず、次のような体裁で表紙をつける。 レポートの本文は、全体にわたって、簡潔でわかりやすい文章と必要に応じて表やグラフを用いて記述する。 1-3. レポートの書き方そのものについては良い書籍や記事がたくさんありますのでそちらを参照することをオススメします。, この記事は以前にnoteで執筆した記事を加筆修正したものであり、過去にblogに投稿したもののコピペです。, データ分析のレポートでは基本構成としてIMRAD形式に則るのが良いです。IMRADとはIntroduction, Methods, Results And Discussionの頭文字を取ったもので、特に論文でよく使われる構成です。シンプルですが科学的検証に向いた形式でありデータ分析もデータを元に客観的に検証するという観点からIMRAD形式に合わせると適切に記述・検証することが可能になるので強く推奨です。逆に言えば、ビジネスのプレゼンテーションにありがちなインパクトを優先する恣意的な印象を与える方法は基本的にはNGです。, 一方で、ビジネスの現場では重要な点をすぐに把握できる形が好まれます。そのため記述する形式はIMRADに限る必要はありません。私がよくやる方法は抄録を冒頭に置いてそれだけで要点をすぐに把握できるようにし、詳しく読みたい人向けに後ろにIMRAD形式で記述する方法です。要約には基本として議論を理解できる最低限の前提と手法そして重要な結果と考察を技術します。要約を書くことはとてもむずかしいです。ぜひ訓練を積みましょう。, この章では分析の目的・背景を記述します。あなたが何を目的にこの分析を行い、何を得たいのか明確にわかるように書きましょう。目的や背景を書くときに重要なことは、データ分析では分析の結果からどんな結果を得たいのか記述することです。これがなければ分析の意味がないので当然ながら重要な事柄になります。データ分析の目的は抽象化すると下記の3パターンにわけられます。, 手元の分析が上記のどれに当てはまるのか分類し、それを踏まえて記述するとよいでしょう。たとえば、あなたが1番の仮説検証を行いたいのであれば、どんな仮説があり・どんな検証が必要で・その結果としてどんな判断をとることができるのか書くことになります。, 背景を記述する際に気をつける点として、その分析が妥当であることを明記することが挙げられます。分析を行うまでには様々な背景や先行調査などがあるかと思います。それらを記載することで分析が妥当であることを説明します。1つの課題に対して手段は複数ありますが、なぜあなたはその手法を行ったのでしょうか?この問に対して十分な回答をここに記載する必要があります。もし、背景を省略した場合はあなたの分析が必要であることが伝わらず価値を理解してもらえないかもしれません。そのような状態を避けるために背景を記載することが重要です。そして、その背景は事前に関係者と共有し理解を得ていることが望ましいです。, この章では分析の対象や手法をすべて記載します。あなたがどこからデータを取得してきてどのように分析したのかわかり、再現できるようにしましょう。, 基本として書くべきことは母集団の説明、データの取得方法(クエリやアンケート方法)、分析方法(特に統計的手法)です。ありがちなのが母集団に関する説明の不足です。データをどのような母集団から得たのか明記しましょう。データは取得した母集団によってバイアスを受けるため、バイアスに留意した記述が必要になります。, 手法を記述する基本は5W1Hを用いた方法です。ビジネスの現場では特定の属性を対象にデータを集めることが多いと思うので、そのような事前に決めていた属性は網羅的に記述します。データの取得方法はアクティビティなどをデータベースから取得した場合は意図的に絞り込んだ条件の記載とクエリ、可能であれば生データを共有しておくと一番よいです。アンケートなど能動的にデータを取りに行った場合はいつ、どこで、どのようにして実施したのかなど可能な限り詳細にアンケート方法を記載しておくとよいでしょう。アンケートは様々な理由からバイアスが発生しうるので、なるべく詳細に実施内容を書いておくと良いです。どちらの手法にせよ、他の人が同じようにデータを取得できるレベルに記載しておくことが望ましいです。, 分析方法は集計以上に統計的手法を用いた場合は明記しておくとよいです。統計的手法はいくらでも嘘の結論を導くことができるのでどんな手法を選んだのか明確に記述するべきです。とはいえ、そもそもレポートの書き方がままならないレベルの人は統計的手法を使わないほうが望ましいです。理解していない技術を使うことは思わぬ失敗を招きます。必要ならば専門家と共同して行うべきでしょう。, この章では分析から得られた結果とその考察を記載します。あなたが分析から得られたデータや統計的解析結果とそれに対する考察を書きます。, 結果と考察の項を書くときに最も重要なことは客観的事実と自分の考えを明確にわけて書くことです。データ分析はデータという客観的な情報を元に意思決定することを目的としています。にもかかわらず、あなたの主観と客観的情報を混ぜて書いてしまってはその価値は失われてしまうでしょう。, 特にグラフの書き方はルールや作法がありますので留意すべき点でしょう。グラフを記載する際のルールはそれを守ることによってグラフを見た人が誤解をせず適切にグラフから情報を読み取れるようにするためのものです。軸の単位やラベルを書いたり説明を記述することは最低限であり、これが不足しているグラフを描くことは避けましょう。もし図や表の書き方を詳細に知りたい方は科学コミュニティにおける書き方を参考にすると良いでしょう。, 統計学的手法を用いている場合はその結論を導いて良いのか適切に検討しましょう。例えば、相関関係と因果関係を見誤ることはとても多い問題です。他にも検定の結果の受け方は一癖あるので手法を理解し記述するよう気をつけるべきでしょう。これを間違うと一気にレポートの信頼性が落ちてしまいます。, また、バイアスの存在は重要です。データは常に何かしらのバイアスの影響を受けています。結論に影響がなくても影響が無いことを明記すべきです。バイアスについて留意した考察を行うことを行ったということが重要になります。, ここまでIMRAD形式をベースにレポーティングの留意点を記述しました。ここまで読んだ人の中にはこんなにたくさんの文字を書くことは非常に労力がかかり、まるで冗長な作業のように感じる方もいるでしょう。私も以前はそう思っていました。, もちろん、このような内容を網羅的に記述することは労力がかかります。実際に、ベテランは意図的にこれらのいくつかを書かないことがあります。しかし、それはケースごとの"重点"を理解した手抜きです。レポートを見る人の関係性や分析の重要度、実験の難易度などを加味した上で省略をします。, しかし、少なくとも初心者のうちはこのような省略をおこなわず、すべてを明確に書くべきだと考えます。なぜなら、このように網羅的な記述を行うことは物事を整理し言語化する力を強くしてくれるからです。大変ですが、それでも時間と労力をかけて明確に記述することを推奨します。, 初めてこのようにレポートを書いたとき、とても大変で投げたくなるでしょう。大丈夫です、私もそうでした。もしよければ3ヶ月だけ我慢してみてください。きっとあなたのスキルが進化していることを体感できるでしょう。, この記事ではデータ分析を行ったときのレポーティングについて簡単に重要な点を述べさせていただきました。, FintechスタートアップのData Developer 産業民俗学者(自称) 絶対に失敗しない分析レポートのポイント。色彩に気を配る編 2018年05月11日(公開: 2015年02月20日) データ分析; マイページにお気に入り. お久しぶりの更新です。 【学習計画】十週間で知識ゼロからのデータ分析入門シリーズでは、データ分析の考え方(第一週)、Excel上級(第二週)を省略して、データベースとSQL入門(第三週)から書き始めました(省略した理由は前に説明した)。. 3.2 データの分析; 3.3 レポート ... 志望動機の書き方、考え方を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。 「志望動機の書き方~選考通過率をupさせる方法~」 「志望動機の正しい考え方やコツ~「志望動機がない…」と悩んでいる人必見~」 データアナリストの志望動機のng例. アンケートをデジタル化するメリットと導入時の3つのポイント 2021-03-05 12:00. この記事はビジネスにおいてデータ分析のレポートを作成する際に気をつけたほうがよいことを自分なりにまとめたものです。間違いやすい点なんかを集めたTIPSみたいな記事になっています。 アイコンは架空の人物です→. 考察とは、ある仮説を立てて実験をし、実験結果の原因を自分で考えて述べることです。 ある問題に対して、正しい結果が得られた、正しくない結果が出た要因を考え、論理的に組み立てて文章にします。 結果で発見したものから考えられる新しい視点や課題についても、考察の部分で述べることができます。 データ分析・機械学習・プロダクトマネジメント…etc アンケート結果のデータ集計・分析・レポートの書き方の4つのコツ . ウェブ解析士認定レポートの分析コメントの書き方. メール配信システムの到達率とは?改善する5つの方法. 膨大なビッグデータから抽出した情報を活かして、企業に貢献するのがデータサイエンティストの職務です。今回はデータサイエンティストになりたいという方へ、そのための志望動機の書き方をご紹介します。自己prのコツなど、面接対策のために参考にしてみてください。 4.「結果」の書き方 How to write “results” 実験の事実(データ・解析結果)を分かりや すく示す 計算過程を示す 観察事項を書く ・データを表あるいはグラフでまとめる ・有効数字,単位(SI単位系)に注意 ・直線化の工夫,対数グラフ 結果の質 レポートは「報告書」であり、教授に対して『与えられた問いに対して、自分がどれだけ情報を収集して理解をしているか』や『事実や理論に基づいて、どんな思考過程で問題に解答しているか』を報告するための書類です。 一方で、『情報を収集し、自分の意見・考えを主張する』ような書類は「アカデミックエッセー(小論文)」と呼ばれます。 アカデミックエッセーもレポートも、【問題提起→情報収集→考察・意見の主張… データ収集 4.計量経済分析 5.実証論文を書く 19-1問題の設定 この章の目標 実証分析の進め方&レポートの書き方を学ぶ 問題の設定 何を分析したいのかを正確に知ることが不可欠 データ収集には研究課題の … 回帰分析とは、 です。また、回帰分析は単回帰分析と重回帰分析に分けられます。単回帰分析は因果関係の原因が一つだと思われるとき、重回帰分析は因果関係の原因が複数あると思われるときにそれぞれ使われます。今回は、回帰分析とはこのようなものだということを理解してもらうために、単回帰分析の説明をしていきます。 カメラを持たない、記憶写真家としても活動中。. 2021年度から昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員 次の記事. ※2021/2/14 2021年版の内容に改定こんにちは。ウェブ解析士エキスパート委員会、委員長のウェブ解析士マスター 佐々木 秀憲と申します。 ウェブ解析士認定試験には、合格後に Google アナリティクスを利用した修了レポートの提出が義務づけられています。 アンケートフォーム. レポートの書き方そのものについては良い書籍や記事がたくさんありますのでそちらを参照することをオススメします。 この記事は以前にnoteで執筆した記事を加筆修正したものであり、過去にblogに投稿したもののコピペです。 前提. 「目的」の書き方 ツイート; 関連記事. 〈即戦力になる〉実験ノート入門 - 効果的なレポート・論文の書き方 - 吉村忠与志 - 本の購入は楽天ブックスで。全品送料無料!購入毎に「楽天ポイント」が貯まってお得!みんなのレビュー・感想も満載。 帝国データバンクでは決算書の見方について複数のテーマで定期的にセミナーを開催しています。今回は、中小企業の取引先の決算書を見て分析する基本的なポイントについて事例研究を交えながら理解を深めて頂く内容のセミナーの一部を紹介します。 企業研究ノートは、就活で複数の企業を比較する際に役立ちます。キャリアパークで企業研究ノートの作り方や書き方、チェックするべき項目について見ていきましょう。あわせて、質問に答えるだけで強み&適職がわかる自己分析シートもご紹介します。 はじめに. でも、Twitterで読みたい記 … アンケートを行う目的は、一般的に問題点を見つけることや、現状よりも良い商品・サービスに改善していくためです。アンケートの概要から成功させる4つのポイントからデータ集計・分析、レポートの書き方までご紹介します。 レポートや論文を作成する際には、この冊子に書かれているポイ ントを思い出し、随時参照しながら作業を進めましょう。その際、 ... ンプル)から数値データを取得し分析を行うものです。自然科学で は一般的な調査のタイプであり、長さ・質量、所要時間あるいは個 数のように客観的に測� 文章が長くなってしまったので、読むのが大変だと言われました。本来なら、時間を掛けて考えることなので…。まず補足として、レポートの書き方の概要をまとめます。課題が多くて余裕の無い人は、ここだけ読んでください。一つの考え方として提示します。, とりあえず、大枠はこんな感じだと思ってます。レポートや論文など、学術文書は構成が命、文章の乱れや、誤字脱字は余り気にしないよう。以下、最初に書いた本文です。, 今年はほぼ全ての大学で、始業からオンラインになっており、新入生達の混乱が目につきます。毎年4月から、若干ハイになったTweetが増えてくるのですが、今年はかなり切実で、正直見ていて辛いことが多いです。, なんだか切実で、涙が出て来るんですが、冷静に考えると、教育機関の人間は何やってるんだという怒りも溢れて来ます。実際に、オンラインでの授業なんて、経験している教員の方が少ないはずなのに、4月の時点で、どこの大学も、大ぶろしきを拡げちまったのはご承知の通りです。, これをカッコいいだの、力強いメッセージだの、最高にロックだ、だの。授業は教員だけの問題じゃないのに、こうやって言い切ってしまっていいのか。この「力強いメッセージ」で、どれほどの教員が追い詰められたか。何より、学生はケアされているのか。, 世界的な傾向らしいのですが、オンライン授業では、やたらに課題が出されるそうで、身近な例で言えば、出席の代わりに2000字程度のレポートとか、パワポ一枚で、A4、2枚のレポートを毎週とか…。, 教員として、「最高の授業」は出来てない自分の立場で言わせてもらえば、多くの課題を出すのは、授業がまともに出来ていないことの裏返しです。いわば、授業の貧弱さの後ろめたさが、そういう暴挙に走らせていると思っていい。そもそも、何年も教室での対面講義で、俺たちは経験を積み、いい授業を目指してきたわけだから、突然、オンラインで「最高の授業」なんて出来るわけないだろ。, 学生も家にいて、暇だろうから、課題をする時間はふんだんにあると、ある方が言っていました。一日中、大学の課題なんかやるわけないだろ、折角の時間だから、読みたかった本を集中して読むとか、映画のDVDを嫌になるほど観るとか、一日中好きなアーチストの音楽を聴きまくるとか。とにかく、この時間を使ってできることはたくさんあるのに。小津安二郎の映画を全部観るなんてやってほしいな。, と、心の中で思ったりしているわけです。あと、女子大では、顔出しの強制は、絶対にハラスメントに当たると俺は思う。ジェンダーを研究していると称している連中が、そこに無頓着なのは、やはりダメだと思う。要するに、オンライン授業への転換は、大学で連綿と続いてきた、知的生産性の低さと、キャンパスに澱のように溜まっている何かを、可視化したんじゃないかとまで、思っています。, とにかく、このツィート主に向けて、最低限レポートの書き方だけは、伝えたかった。それがこの文の動機です。なお、ここまでは特定の誰かに向けたものではありませんが、思い当たる方と議論する気はないです。, ここからは、本題です。もちろん、学問領域によって、文書の書き方は異なってきます。ですので、最低限のことだけ説明します。ただ、これが絶対正しいというわけではなく、あくまで僕はこうやってレポートを書いてほしいな、という程度です。おそらく教員ごとに違う点も多々あると思いますが、叩き台としての意見だと思ってください。, 言うまでもなく、レポートは「文書」です。では、文書って何のために書きますか?これをちゃんと答えられる学生さんは、意外と少ないと思います。文書は全て、コミュニケーションのために書きます。例えば、筆記試験とかも文書ですよね。試験監督をしていると、時々答案を裏返して「見ないで~」とか言って提出してくる学生さんがいますが、そらおかしいだろ。文書は、誰かに見られてナンボの代物です。自分のノートやメモ書きも、未来の自分とのコミュニケーションだと思ってください。だから、できる限り相手に読まれやすいように書きます。文書の装飾のことを書式と言いますが、後述のように、レポートでも望ましい書式がありますが、それは全て相手に読みやすいように設定します。レポートは、最終的には自分の単位のために書くと考えてもいいですが(※これはある学生さんの答でした)、その前に必ず担当教員の眼には入りますので、まずはその人に向けて書くと思ってください。さらに重要なことは、その誰かは自分以外ですので、表現されていないことは伝わらない、伝わらないことは存在しないと思ってください。いくら理解していても、表現されていない、伝わらないことは評価されません。, これは意外に思うのではないでしょうか。この後③では、学術文書としてのレポートについて説明しますが、「学術文書」としての側面は理解できると思います。しかしその前に、「事務文書」としての側面があることはとても重要です。レポートを出すことで、学校法人に向けて成績評価や単位付与などの事務処理をお願いすることにもなります。そのため、事務文書として最低限必要な情報を記載しておく必要があります。, 例えば、図に示すのは、今年の3月に文科省から発信された、新型コロナウィルスと学校の対応に関する文書です。公文書の範疇に入りますが、各学校に対応を依頼するもので、事務文書でもあるわけです。ここで見るように、事務文書には必ず書かねばならない項目があります。簡単に言えば、①いつ(日付)、②誰に(宛先)、③誰が(発信元)、そして④何を(表題)です。これらは、事務文書としては必須です。特に注意してもらいたいのは、レポートの発信人です。大学では、所属(学部学科)と学籍番号が、あなたを識別する重要な情報です。氏名は、同姓同名がいたり、読み方が難しかったり、曖昧なものですが、学籍番号は、一意的に学生を特定できるので、出席カードも、レスポンスシートも、その他の事務文書も、レポートにも、必ず記載をする必要があります。その他に、紙には、慣例的に上下があると思ってください。横書きの場合は、左上が、紙の上座になります。宛先は左上に書き、発信人は一番下座の右下に書きます。なお、こうした事務事項は、指定が無い限り、レポート本文とは別に、表紙を付けて記載しておく方がいいでしょう。, 表紙が付け加わると、紙は複数になります。電子文書(ファイル)で提出する場合でなければ、綴じなければなりません。横書きは左綴じ、縦書きは右綴じと覚えてください。横書きは右方向に書き進み、縦書きは左方向に書き進むからです。, レポートは、指定が無い限り、電子文書で作ります。そのメリットや意味は後で述べますが、体裁、要するに文書の見栄えですね、それを設定することができます。電子文書を作成するツールは、ワープロと呼びますが、標準的なWindowsシステムだと、MS-Wordと、メモ帳(notepad)の2種類がインストールされていると思います。メモ帳は、文字列しか扱えません。それを、テキストエディタと言います。授業中にノートを取ったり、簡単なメモ書きには向いていますが、最終文書にはなりません。レポートには、書式付けを行って、体裁を整える必要があります。MS-Wordは、文書に書式を与える機能があります。一般に、事務文書の書式付けは、フォント(活字)、段落、用紙の設定など、段階を踏んで設定して行きます。ここでは要点だけ示します。フォントの字体は、原則ゴシック体、P付きのプロポーショナルフォント、サイズは10ポイントから11ポイント程度の大きさで作ります。ゴシック体は、フォントの太さが一定なので、レポートに向いています。また「P」が付いたフォントは、等幅フォントに比べて、文章にした際に、圧倒的に読み易くなります。またフォントのサイズは、10.5ポイントが標準ですが、スマホのように小さな文字が普通になってしまうと、若干大きすぎる印象があるかもしれません。指定が無い限り、10.5ポイントで作成しておくと無難でしょう。尚、フォントのサイズは、1pt=1/72インチですが、そういった細々とした知識は検索して調べてみてください。, 紙ではなく、電子文書で提出する場合、重要な決まりがあります。ファイルの種類です。ワードで文書を作成した場合、いくつもの種類のファイル形式で保存をすることができます。「ワード文書」は、「.docx」か「.doc」という形式で保存をしていると思いますが、提出する文書は、「PDF文書」で保存しておいてください。PDFとは「Portable Document Format」の略で、文書を実際に紙に印刷したときの状態が、そのまま保存されているファイル形式です。要するに、ワード文書で渡すということは、編集途中という意味になってしまうので、最終文書として提出する場合は、PDFにしておくということです。, ここまでは、見た目や形式の問題が中心でした。おそらくレポートの書き方について困っている人は、その中身そのものがわからないのではないでしょうか。レポートは、単なる感想文やエッセイとは違い、学術文書ですので、基本的な構成があります。自由に書くものではありません。, まずレポートには、「報告系レポート」と、「論述系レポート」の2種類があります。「報告系レポート」とは、対象を文献やデータなどを使ってリサーチして纏めるような課題のものです。大学のWebをざっと検索すると、以下のようなレポート課題が発見できました。若干修正しましたが、これらは報告系レポートです。, 「まとめなさい」、「説明しなさい」、「整理してください」、といった出題は、報告系レポートにあたります。この場合は、どういう手段でリサーチをしたのか、さらにリサーチしたものを、どう整理するか、が重視されます。, 論述系レポートは、報告系レポートよりも、高度な課題であり、レポートとしては、こちらが中心となります。「~について論じなさい」、「考察しなさい」、「述べなさい」などという出題は、概ねそれに該当します。例えば、ある学校で公開されている課題に、以下のようなものがありました。, これは、一見すると、報告系レポートで述べた「講義で触れた略語を2つ選んで、それぞれ1000字以内で簡潔に説明しなさい」と同じような形式に見えます。しかしこれは、用語そのものの意味を対象にしているのに比べて、この問題は、「情報化社会」を対象にしていることが違います。「説明」ではなく、「考える」ことが求められており、論述型レポートです。, 一つ、皆さんに問いかけです。我々教員は、期末には相当数のレポートを読み、評価、採点しています。時々、本当に読んでるんですか?などと、超失礼な質問をしてくる学生もいますが、はっきり断言します。読んでます!、しかし皆さんの思うような読み方はしていません。では、我々教員は皆さんのレポートをどう読んでいるのでしょうか?, 実は、皆さんも同じことをしているはずです。本を買ってきたと思ってください。小説ではない、専門書か実用書のようなものを考えてみてください。どこから目を通しますか?小説ではないので、律儀に最初のページから読むことは、まずしないでしょう。全体の流れを把握するために、目次から目を通しませんか?少なくとも、初めて読む本は、目次を見ることで、大まかな構成や流れがわかるはずです。我々も、皆さんのレポートの構成に目を通して、まずこの人は何を言いたいのか、全体を把握します。我々教員は、レポートでも論文でも、まずは構成を把握します。学術文書ですから、それによって、大まかな評価をすることは十分可能です。よく論文指導とかで、てにをはや誤字、脱字などを気にする人もいますが、少々おかしな文でも、構成がしっかりしていれば、さほど大きな問題ではありません。少なくとも、てにをはや誤字、脱字が理由で評価されないということは、まず無いでしょう。, 要するに、学術文書は、構成が最も重要です。ではその構成はどうなっているかと言えば、簡単に言えば、「科学的思考」のプロセスになっている必要があります。断言します、あなたがレポートが書けないのは、「科学的思考」ができないということです。レポートや論文の目次から、その筆者の思考のプロセスを読み取れるように、書いていくわけです。, 科学的思考は、図に示すように、概ね4つのプロセスになると考えてください。①「問題提起(Issue presentation)」、②「仮説(Hypothesis)」、③「検証(Verification)」、そして④「評価(Self assessment)」です。これを、序論、本論、結論、という形で説明することもあります。これでは、思考の流れを説明できないので、コンテンツそのものの流れを、このように捉えると思ってください。以下、プロセスごとに解説します。, 問題提起(Issue presentation)まず学術文書には、必ず学問的な問いかけ、「問題提起(Issue presentation)」があります。何について学術的に考えて行くのか、文書の出発点です。レポートの場合、問題提起が出題されていると考えてください。上の例では、「情報化社会」を考えるという問題提起が与えられています。この例でもそうなのですが、えてして大学のレポート課題は、かなり抽象的に出題されることが多くあります。そのため、課題そのものをきちんと再定義しなおすことが必要となりますし、この問題のように「授業に出てきたキーワードを3つ使う」といった制約が与えられることもあります。この授業自体を詳しくは知らないのですが、おそらく授業時に、テーマである「情報化社会」に関する、学問的な問いかけが、いくつも提示されているはずです。つまり、レポートは、授業と連動して出題されています。そのため、レポート課題だけ読んでもわからないことが多いと思います。, 実は、問題提起には、2種類あります。分析型問題と、設計型問題の2つです。余り聞き馴染みのない言葉だと思いますが、知識工学という領域で、特に人工知能システムの開発のために明らかにされてきた概念で、学術文書を考えるにおいて、非常に有効な考え方です。簡単に言えば、前者の分析型問題とは、対象を診断、分析することで、そのものを評価するような作業を指します。医師の仕事を考えるとわかりやすいと思います。医師は、患者の分析を行い、病気なのか健康なのか、病気ならばどういう病気なのかなどを判断します。それに対して、後者の設計型問題とは、何かを作っていく作業を意味します。モノづくりのエンジニアを想定すると、わかりやすいと思います。エンジニアはモノを生み出します、しかし医師は人間を作るのではなく、存在している人間を評価します。, 2つの問題類型の違いがわかりると思います。何か存在しているものを対象にするのか、それとも作り上げるのか、大きく違っています。, 前半の問題が分析型で、後半は設計型にきれいに分かれています。この出題者の方は、その点をきちんと踏まえて、こういう出題をしているはずです。実は、設計型問題を解くには、先に分析型問題を解いて、現状の判断を行ったうえで、新たにそれに対する解決案を提起するという流れになるので、非常に理にかなった出題です。, 学術文書としては、この問題提起に対して、「仮説(Hypothesis)」を立てる必要があります。仮説とは、簡単に言えば、論者の意見です。あくまでも、その問題提起に対して、そのレポートを書いている人自身は、どう思っているのか?、最終的な解はわからないにせよ、どうやったらその解を導き出すことが出来るのか、そういった学問的な問いかけに対する、自分自身の考えを明らかにして行きます。, 但しこれはあくまでも「仮説」、要するに個人による仮定にしか過ぎません。ですので、ここまででしたら、そのレポートには、学問的な価値はありません。しかし、殆どの学生さんのレポートは、ここで終わってしまいます。こういうレポートを読むと、かつての缶コーヒーのテレビCMを思い出します。それはお前だけの考えだろ?、お前の世界でモノ言ってるんじゃなくて、ガツンと言ってやれ、という評価しかできません。, ここからのプロセスは、簡単に言えば、あなたのレポートの学問的な価値を保証するための作業になります。そのために、まず検証(Verification)という作業が必要になります。これは、その仮説を確かめてみることで、客観化をしていく作業です。理系の人は、実験を中心にこの作業に労力と時間を掛けて行きます。文科系の場合は、文献調査、現地調査、実地調査、アンケート、インタビュー、ソーシャルリスニング、データ分析、シミュレーションなど、領域によって様々な検証作業があります。昨今では、ネットを使えば、多くのデータを入手できるようになって来ています。しかしデータそのものが加工されたものだったり、バイアスが掛かったものである可能性も多くあります。自分の授業でよく取り上げる例ですが、例えば日本の少子化を示すグラフとして、以下のようなものはしばしば見掛けると思います。, これは、内閣府の中のデータですが、とてつもないバイアスが掛かっているのはわかりますか。ここでは詳細を述べませんが、1点だけ指摘します。横軸の原点が、1947年、昭和22年になっています。戦後の数年間は、世界的なベビーブームで、多くの子供たちが生まれました。日本では団塊の世代と呼んでいますが、彼らは現在70代前半です。つまり、この表では、それ以前に生まれた人たちが含まれていないし、歴史上最も子供の数が多い時代を原点にすれば、それはどう見ても少子化にしか見えないでしょう。詳しくは以下を。, つまり、検証と言う作業では、こうしたバイアスや誤ったデータ、先入観などを排除して、あなたの仮説を客観的に判断していく作業を行います。加工されたデータではなく、原データを見ていく必要があります。特に社会系の学問に関しては、総務省統計局のWebページに、国勢調査を始めとして、様々な社会に纏わるデータが、保存、公開されています。公文書の改竄や黒塗りなど、モラルハザード的なニュースをしばしば耳にしますが、少なくとも元のデータは信用できると思います。この総務省統計局のWebは、統計の入門講座などコンテンツとしてもいろいろ含まれているので、時間がある時にでも、眺めておくのを薦めます。, さらに検証作業に関しては、Webを使ってデータを探すことが多いと思います。しかしGoogleのような検索エンジンでは、検索結果が、玉石混交のデータであることが多いため、検索する場合、様々なオプションを付けて行うのも基本的な知識です。例えば、2つのキーワードを並べて検索する場合、2つのキーワードを両方含んだ結果を得ることが出来ます。これを「AND検索」と言います。どちらかを含んだものを検索する場合は、キーワードの間に「|」記号を付けます。これを「OR検索」と言います。またどちらかのキーワードを排除したい場合、そのキーワードの前に「-」記号を付加します。これを「NOT検索」と言います。, Googleは、ページランクというアルゴリズムに基づいて検索結果のランキングを導き出しており、Wikipediaや人気Blogなどがトップに出てきてしまいますので、レポートや論文の資料としては、若干不適切です。ですので、検索のキーワードの後に、いくつか条件付けをして検索することをしばしば行います。例えば、「site:ac.jp」と付加した場合、ac.jp、すなわち日本の大学、研究機関に限定して検索を行います。また「filetype:xls」という指定をすることで、エクセルのファイルに限定して検索することが出来ます。「:」の後には、ファイルの拡張子を指定します。, 検証過程を経て、最後に、あなたの立てた仮説は正しかったのかそうではなかったのか、自分の研究の評価が必要になります。 この研究を通して、何が明らかになったのかを記述しますが、多くの学生さんは、完成したこと、正解だったことを書こうとします。要するに、仮説が正しかったということを書くのがレポートだと思っている方が多いように思います。しかし、仮説が誤っていたということも、重要な研究成果です。誤っていたのならば、何がどう誤っていたのか、なぜ誤った仮説を立てたのか、こうしたことも、検証結果として分かったこととして、十分価値があります。その上で、研究を継続するための、次の問題提起まで至れば、評価の高いレポートになると言えます。, 最後に、参考文献リストを付加します。文書の引用の仕方は、国際標準として決まっています。, 参考文献リストは、他のどういう研究とどういう関係にあるかという、自分の研究のポジショニングのためにも必要だと考えてください。以下の解説などは、とても分かりやすく書かれています。, レポートには、問題提起から、仮説、検証、評価まで、この一連の流れが、記述されている必要があります。この流れに沿って、丁寧に考えて行けば、規定の文字数を充足するのは、それほど困難ではないはずです。, よく、何万文字も書けませんと意見をもらいますが、それは規定の文字数で一まとまりの文書を書こうとするからです。大きな文書も、小さなパーツの集合体です。ここで示した要素に分解して考えると、トータルの文字数は、大した問題じゃないことがわかるはずです。明確な決まりはありませんが、問題提起、仮説、検証、評価のそれぞれを、1、2、3、2程度の割合で考えると、バランスの取れた学術文書になるように思います。例えば総ページ数が、2000字だったら、8で割ると250字、問題提起250字、仮説500字、検証750字、そして評価500字といった配分になります。こうした要素分解が明確に出来ていれば、要素ごとに作業をして行けばいいということになります。前述のように、小さな断片として文書を書くのなら、スマホでも十分可能ですので、ちょっとした空き時間に書き留めることができます。260字程度でしたら、Twitterは140文字までですので、ツィート2回分も無いということになります。自分自身も行いますし、学生さんにも勧めていますが、論文やレポートを書く時の思い付きは、その場でツィートしてしまうことをやっています。ハッシュタグを自分で決めてしまえば、後で検索することもできますし、時には「FF外から失礼します」と、余計なお世話的なアドバイスをもらうこともあります。まず学術論文の断片で、炎上したり問題になることは無いでしょう。例えば、「卒論メモ」で検索すると以下のように、多くの学生さんの思考プロセスの断片が見れます。, ワードには、文書の書式を与える機能があると言いましたが、もう一点、文書の構成を作って行く、アウトラインと言う機能があります。この機能は、学術文書を作る場合には必須の機能ですが、おそらく余り使いこなしてはいないでしょう。かいつまんで説明します。文書の構成を設定するには、ワードの表示のタブから、「アウトライン」を選択します。図のように、文章が箇条書きになって表示されます。, ワードは、文書を「見出し」と「本文」で構成されるものと考えます。見出しは、「レベル1」から「レベル9」まで、段階を経て設定することができます。レベル1は大項目で、文書はレベル1の集合体と考えます。レベル1は、さらにレベル2の集合体と考えます。図で示した文書で言えば、レベル1が4つあり、さらにそのうちの「2.ニュース映画と地域の記録」は、レベル2が3つあるという構成になっています。, こうしてアウトラインの設定をして、表示のタブから、「ナビゲーションウィンドウ」を選択すると、左側に見出しを抜き出したウィンドウが表示されます。この「ナビゲーションウィンドウ」は、常に文書の構成を示しているので、作成している文書の全体を意識しながら、入力していくことができます。さらに、「参考資料」というタブから「目次」というメニューを選び、「ユーザ設定の目次」を選択すると、ナビゲーションウィンドウに表示されているアウトライン構成が、ページ番号と共に、目次として挿入されます。, 学術文書は、構成が重要です。そのため、それを明示的に見出しとしてアウトライン登録をすることで、最終的に目次まで作成することができます。全てのレポートに目次が必要なわけではありませんが、文書の構成が示されていることで、レポートを書く側も読む側も、思考のプロセスを共有できるようになります。レポートは、課題を題材にした学術的思考を表現したものです。それを出題者に伝えるということが、最終的なレポートの目的だと考える必要があります。, 最後に、しばしば学生さんから聞かれる質問ですが、レポートと論文の違いについて解説します。レポートには、報告系レポートと論述系レポートがありました。報告系レポートは、場合によっては論述系レポートに含まれることが多くあります。この質問は、正確に言えば論述系レポートと論文の違いに関する問いかけだと思います。結論から言えば、どちらも同じものです。学術文書として、相互に違う点はありません。但し、1点だけ違うところがあります。学術文書は、科学的な思考プロセスを記述したものだと説明しました。①「問題提起(Issue presentation)」、②「仮説(Hypothesis)」、③「検証(Verification)」、④「評価(Self assessment)」でしたが、論文もレポートもこうした構成になります。違うのは、①の「問題提起」にあります。端的に言えば、レポートは、出題者が問題提起をしますが、論文は論者自体が問題提起をすると考えてください。実はこれには大きな違いがあります。何か問題提起が出来るという場合、答もわかっている場合が多くありませんか?レポートの出題側は、問題提起に併せて、その解までわかっている場合が殆どです。レポートを書くということは、出題側の思考プロセスをなぞることになります。書道でも楽器でも、熟練者のやることを丁寧になぞって行くことが、学びの第一歩になるのはご存知だと思います。学術の世界でも、出題者の考えたことを、疑似体験しながら、知識を得たり思考手法を学んだりすることはとても有効です。ですので、レポートの場合は、提起されている課題を、一度噛み砕いて再定義することが重要になります。レポートは、成果発表というよりは、学びのプロセスとしての価値があると認識してください。さらに、卒業論文など、大きな学術文書を書くための準備でもあると言えます。, 素朴な疑問です。特に新入生の皆さんは、スマホがあれば、あえてパソコンを使う必要はないと思っていませんか。, 面白いので、授業でもしばしば取り上げていますが、以下は、昨年のマイクロソフトのノートパソコン「サーフェイス」の「大学生にノートパソコンはいらない?」というCMで、当時結構バズりました。, このCMの良しあしを云々する気はありません。しかし、このCMの前半には、実を言えば賛同する部分もあるのではないでしょうか。「大学生活なんてスマホがあれば大体上手くいく」と。, ただ少なくとも、学びの世界では、スマホがあればパソコンは要らないというわけではないです。一つ例を挙げます。余りはっきり示せませんが、これはもうかなり前に卒業してしまったある学生さんとのメッセンジャーでのやり取りです。, 卒論指導の内容ですが、なんとスマホで卒論を書いていたらしいです。ここまで述べてきたように、研究テーマを問題提起し、仮説を立て、検証して考察するという、とてつもないプロセスを、小さなスマホの画面のせせこましい入力でやろうという…想像が付くとは思いますが、構成が全く出来ていなくて、最終的にはパソコンを使って編集をし直しました。本人は、待ち時間の長いバイトをしていたそうで、その隙間時間を使ったそうですが、どう考えても最終的な論文には仕上がりません。, つまり、スマホは、誰かの作ったコンテンツを消費するコンシュマーツールであって、創造するためのクリエイトツールではないのです。だから、自ら何かを創るためには、絶対にパソコンが必要です。, 断言しますが、スマホでできることはパソコンでできます。しかしパソコンでできることでスマホが出来ないことは結構あります。例えば画面イメージを画像にするスクリーンショットなど、パソコンではごく簡単に出来ます。そう言うと驚く学生さんも多くいるのを知っています。認めてください、あなたはパソコンを知る前にスマホを知ってしまっただけなのです。, パソコンで何かを創る基本が、文書です。電子の形式で作られた文書、電子文書でレポートを書くことを心がけてください。, 紙の文書は、場所を取る、探せない、加工できない、劣化が激しい、再利用できない、といった性質を持っています。例えばあなたの過去の手書きノートから、あるキーワードが出ているものを探すのは至難の技でしょう。間違えていた部分を書き直したり、あるいそれを使って新しい文書を作るのもできないでしょう。保存の場所も必要ですし、何年か経っているなら、紙は劣化しているかもしれません。電子文書は、完全にその逆の性質を持っています。すなわち、場所を取らない、探せる、加工できる、劣化しない、そして後から再利用もできます。但し、少々スキルが要るだけです。, 学生の皆さんは、文書を書くことが大きな仕事だと言っても過言ではありません。では皆さんは、大学生活の間に、いったいどの位の数の文字を書くのでしょうか。最も多く書く単語は何でしょうか。大学生活の間で、トータルするとどのくらいの量の文書を作るのでしょうか。電子文書でしたら、それを確認することも可能になります。, 教員として気になることが一つあります。期末試験が終わったら、その科目のノートや資料をゴミ箱に捨ててしまう学生さんがいることです。, これって、君が人生の中で費やした時間を全部捨ててしまうことに等しいと思うんだが。邪魔なのはわかるし、取っておいてもまず見ないだろうということもわからないではない、でもそれは紙だからだと僕は思ったりします。, レポートも、ノートも電子ファイルにしておいてください。どうせ授業もオンラインなんだから、配布される資料もデジタルの形式になっているはずです。僕ら教員も、何年も経験を蓄積してきた対面授業を全て捨てて、オンラインにせざるを得ませんでした。それは我々年長者にとって大変なことでした。冒頭に書いた「最高の授業をする」というセリフは、本音を言えば、精一杯の強がりだったということもわかっています。デジタルネィティブである君らの方が、こうした環境においては遥かにアドバンテージを持つようになって来ています。異常なくらいの量の課題は、デジタルネイティブに対する教員の悪あがきだと、僕は思っています。, Twitterにいる君が、幸せで実りある大学生活を送れるように。陰ながら応援しています。, フェリス女学院大学国際交流学部教授