1-2. ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」のあらすじを紹介します。強欲な父親フョードルと長男ドミートリイはある女性を巡って対立しています。次男イヴァンは無心論者で三男の信仰心厚いアレクセイに信仰と社会の矛盾を語ります。 「カラマーゾフ家の家庭の物語の裏側に、世界史が隠されているところ」, でも、一番の理由は、“人類に共通な永遠の悩み”を問題提起し、答えを出しているところだと思います。, お前は個人たると全人類たるとを問わず、すべての人間に共通する永遠の悩みに答えることになったはずだった。, 人間という哀れな生き物の苦労は、わしなり他のだれかなりがひれ伏すべき対象を探しだすことだけではなく、すべての人間が心から信じてひれ伏すことのできるような、それも必ずみんながいっしょにひれ伏せるような対象を探しだすことでもあるからだ。まさにこの跪拝の統一性という欲求こそ、有史以来、個人たると人類たるとを問わず人間一人ひとりの最大の苦しみにほかならない。統一的な跪拝のために人間は剣で互いに滅ぼし合ってきたのだ。, この世界から神が消え去るときでさえ、同じことだろう。どうせ人間どもは偶像の前にひれ伏すのだからな。(新潮文庫版 上巻 p639-640), 本書では、世界中の人々が思い悩んでいる「神はいるのか?」「神がいるなら、なぜ悪が存在するのか?」などテーマを一つ一つ問題提起し、明確な答えを出してくれているのです。, 哲学的な記述が続きますが、自分では到底辿り着くことができない答えを提言してくれているので、どんどん引き込まれていきます。 金子洋文の戯曲と演劇活動 北条常久著. ドミートリイは、父がグルーシェンカをものにしたら父を殺すと言い、実際フョードルを殴ったことがあったが、彼にはカチェリーナという婚約者がいた。ドミートリイは、カチェリーナに対し、「君を真剣に愛している次男のイヴァンのほうが君にふさわしい」との伝言を、末弟のアレクセイに頼む。アレクセイがそれを伝えにカチェリーナの元に行くと、そこにはグルーシェンカが来ていた。グルーシェンカはカチェリーナに、ドミートリイとは結婚しないと言っておきながら、ドミートリイの伝言を聞くとカチェリーナをあざ笑ったため、女二人も対立することとなる。, カチェリーナはイヴァンと接近しつつあったが、ドミートリイをまだ愛しているのか、酒場でドミートリイに乱暴をされたスネギリョフなる男がそのことで訴えないようスネリギョフに見舞金を送ることをアレクセイに頼む。スネギリョフの息子イリューシャは、父親を侮辱したドミートリイを憎んでいたため、級友たちとの喧嘩を止めようとしたアレクセイに石をぶつけた少年だった。スネギリョフもこれをもらったら息子に向ける顔がないと見舞金を踏みつけにする。 ドストエフスキーの《カラマーゾフの兄弟》の中で、下巻に父親殺しで長兄が逮捕される事になりますが、本人は犯行を否定し、父のフョードルと同居していた異母兄弟スメルジャコフが真犯人だと主張、スメルジャコフは犯行を匂わせる遺書を 著した。 また、 ドストエフスキーは 「カラマゾフ の兄弟」の中で、 『このころアリューシャはすっ かり成長して、 頬の赤い、 目元すずしい十九歳の 女性となり、 まぶしいほど健康だった。 目鼻立ち がととのい… 端正な顔はやや長めの卵形で、 犀星の詩「はじめて『カラマゾフ兄弟』を読んだ晩のこと」には、靄の深い夜、屋根にぽつりぽつりと落 ちる椎の実の音のことがかかれています。 梅雨の少し前、センターの庭には薄緑色でモソモソと地面 … カラマゾフの兄弟 ドストエフスキー[著] ; 米川正夫訳 (世界文学全集, 16,17) 新潮社, 1957-1958 1 2 その中には、ドストエフスキーにとことん心酔した作家や、影響を受けてしまったがゆえ自らの才能に絶望した作家も……。, 今回は、3人の作家をピックアップし、『カラマーゾフの兄弟』について言及している文章を引用したいと思います。, もし「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげろ」と言われたら、考えるまでもなく答えは決まっている。, この『グレート・ギャツビー』と、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と、レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』である。, 僕がドストエフスキイに一番感心したのは「カラマーゾフの兄弟」ね、最高のものだと思った。 アリョーシャなんていう人間を創作するところ……。, アリョーシャは人間の最高だよ。涙を流したよ。ほんとうの涙というものはあそこにしかないよ。, 『カラマーゾフの兄弟』や『悪霊』のような根源的な観念をまるで核の分裂のように吐きだせる人物を今の私の力倆ではとても、創作できるとは思えない。, その時はいつか、自分もドストエーフスキイのような小説を書くべしと思った。しかし、思えばそれは、こわいもの知らずであった。以来二十年、私ができたのは、結局、私の理想的人物を描いた作品に『白痴』からヒントをえた『おバカさん』という題名を与えたぐらいであった。, 村上春樹さんの言葉にあるように、世の中には『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人がいるなら、読破した側に行きたいと思う読書家のみなさん。, いったい誰がフョードルを殺したのか? 謎が解き明かされていきます。ぜひ読破して達成感を感じてみてください。, 『I Love Youの訳し方』文豪や作家たちは“I Love You”をこう訳した, 当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用は固く禁じます。また、まとめサイトへ引用することも禁じます。, テキスト、画像等を他所でご使用になりたい場合は、ブックオフオンラインカスタマーセンターまでお問い合わせください。. 「深い人間洞察からキャラクターが創造されているところ」 「カラマーゾフの兄弟」は、ロシア文学慣れしていなければ読み解くのは不可能であり、文字列を視覚で捉える作業に成り果てる。だけどもう安心。私が作成したこの相関図を用いることで読破は余裕である。 ソロヴィヨフは「兄弟カラマゾフ」に反映されます。NFフェドロフによる彼に近い哲学的アイデアに関する作家の反省と、Vlの読書で提起さ れた人間の人格の自然と道徳の原則の相関の問題。ソロヴィヨフは「兄弟カラマゾフ」に反映されます。 「カラマゾフの兄弟」「罪と罰」「大尉の娘」「貧しき人々」のロシア文学。 「白鯨」「宝島」「15少年漂流記」の海外冒険小説。 少年少女文学では「人形使いのポーレ」「小公子」「ハンメルンのふえふき」「しあわせの王子」。 朔太郎の『カラマゾフの兄弟』への書込 久保忠夫著. 栄典制度と森鴎外の遺言 渡辺善雄著. All rights reserved. カラマゾフ兄弟 著者 フヨドール・ドストイェフスキイ 著[他] 出版者 日月社 出版年月日 大正4 備考 国立国会図書館内では、一部分のみ印刷できます。 請求記号 特109-359 書誌id(国立国会図書館オンラインへのリンク) 000000537116 doi 10.11501/914943 公開範囲 漱石と池辺三山 加藤二郎著. から,ドストエフスキー『カラマゾフの兄弟』を通してキリスト教の愛に触れたことを,三編の論 文で考察,朔太郎が読んだ『カラマゾフの兄弟』のテキストをもほとんど確定している。 The brothers Karamazov「カラマゾフの兄弟」tr. 『カラマゾフの兄弟 01 上』:新字新仮名 - 青空文庫 (中山省三郎訳) カラコーゾフ事件とロシアの社会運動(一八六六年) 「ドストエフスキーの栞」(作中の人物相関図) カラマーゾフの兄弟 (テレビド … 『カラマゾフの兄弟』 をオススメしたい。ロシア文学の最高峰『罪と罰』と並ぶ彼の超大作である。 何と言っても登場人物の名前を覚えるだけで休日が丸一日つぶれるという超大作である。代表的な登場人 … テレビドラマ「カラマーゾフの兄弟」のドラマ版キャストやあらすじを紹介します。原作は1880年に出版されたロシアの作家フョードル・ドストエフスキーの小説で、イギリスの作家であるサマセット・モームは『世界の十大小説』のひとつに挙げています。 Copyright © BOOKOFF CORPORATION. 召使いのグリゴーリイによって止められるものの、翌日フョードルのが何者かに殺され、さらに大金が盗まれていた。当然のようにドミートリィが疑われるが――。, ドミートリィ(ミーチャ) 漱石とターナー 木村由花著. 日本初放送 ロシアの黄金時代を築いた女帝・エカテリーナ2世。輝かしい功績の一方、多くの愛人がいたため、「王冠をかぶった娼婦」とも呼ばれる。そんな彼女の波乱に満ちた生涯を、愛欲と権勢、策謀 … では、『カラマーゾフの兄弟』が最高傑作と評される理由は何なのでしょうか。 「ミステリー、恋愛、宗教、家族など、あらゆるジャンルの小説エッセンスが織り交ぜられているところ」 「深い人間洞察からキャラクターが創造されているところ」 「カラマーゾフ家の家庭の物語の裏側に、世界史が隠されているところ」 など、いろいろと意見があると思います。 でも、一番の理由は、“人類に共通な永遠の悩み”を問題提起し、答えを出しているところだと思います。 本書では、世界中の人々が思い悩んでい … ドストエフスキーに関する図書展目録 ... Brat'ia Karamazovy「カラマゾフの兄弟」Tom. と覚えておけば大丈夫です!, 「ミステリー、恋愛、宗教、家族など、あらゆるジャンルの小説エッセンスが織り交ぜられているところ」 『カラマゾフの兄弟 01 上』:新字新仮名 - 青空文庫 (中山省三郎訳) カラコーゾフ事件とロシアの社会運動(一八六六年) 「ドストエフスキーの栞」(作中の人物相関図) カラマーゾフの兄弟 (テレビド … 子供らしい歌 の用例・例文集 - むろん、われわれは彼らに労働を強いるけれど、暇なときには彼らのために子供らしい歌と合唱と、罪のない踊りの生活を授けてやる。しかし、われわれがちょっと合い図さえすれば、たちまち身も軽々と、歓楽や、笑いや、幸福の子供らしい歌へ移るのだ。 2020年8月9日 左利きの妻 第1話 – ドストエーフスキイ『カラマゾフの兄弟』第44回 は コメントを受け付けていません 裏話などを加えた. ドミートリィ=ミーチャ、アレクセイ=アリョーシャ 世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ。, これは、村上春樹さんが翻訳した作品『ペット・サウンズ』のあとがきで書かれた一言です。あなたはどちらでしょうか?, 本書は、ドストエフスキーが亡くなる80日前に完成した作品で、続編が予定されていたものの未完で終わっています。未完にも関わらず、なぜここまで評価されているのか気になる人は多いのではないでしょうか。, 街で有名なカラマーゾフ家の主フョードルには、息子が4人いる。なかでも長男のドミートリィは、父のフョードルと折り合いが合わず、常に喧嘩ばかりしていた。, そしてついに、ドミートリィはフョードルの殺害を計画。 Berlin, Ladyzhnikov, 1919. 5. 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続く「大審問官」なる創作物語は、イエスを思わせる人物が、異端審問官から「おまえこそ異端だ」と火刑にされかけるというもので、アレクセイはイヴァンの神経を心配する。事実イヴァンは、フョードルの私生児と噂されているカラマーゾフ家の料理人スメルジャコフの「フョードルが再婚したら財産は後妻に行くからフョードルは殺されていい」という囁きを肯定する気持ちがあり動揺していた。そんな夜、スメルジャコフがてんかんの発作で倒れ、ドミートリイ来襲の監視役を失ったフョードルは不安に陥っていた。, 高僧ゾシマは、ドミートリイにかつて跪いた理由であるところの自分の経験談を語ったのちに死すが、その死体の激しい腐臭のため、還俗したアレクセイも神への疑念を抱きだす。 ドミートリイはカチェリーナと縁を切るため、カチェリーナに返す金を工面しようと奔走するも果たせず、父の金を盗もうとカラマーゾフ家に忍び込む。しかし使用人のグリゴーリに見つかり逃走、次にはグルーシェンカが昔の愛人と会っていると知って、その現場へ急行する。そこで恋敵を追い払い、グルーシェンカからついに愛の告白を受けるが、その直後、警察に逮捕される。容疑は父フョードル殺し。証言はドミートリイに不利なものばかりであった。, 病床に臥す少年イリューシャを、アレクセイの尽力で仲直りした級友たちが見舞いに来る。イリューシャもその父スネギリョフも素直に歓迎する。ただアレクセイは、イヴァンの無神論にも似た考えを口にするリーダー格の少年コーリャの将来が心配になる。, 犯人をドミートリイとするイヴァンは、犯人をスメルジャコフと見るアレクセイと絶交してしまうが、イヴァンは不安になってスメルジャコフを問い質す。スメルジャコフは犯行を自白するが、殺人を許可したのはイヴァンだと言う。怒ったイヴァンは明日の裁判で真実を言えと言うが、その直後に自室に悪魔が現れ、我に返るとアレクセイがスメルジャコフの自殺を告げた。, 注目の裁判。関係者が次々と証言していく中、裁判はドミートリイに有利に傾いていくかに見えだすが、最後にイヴァンが事件当日盗まれた金を示して、犯人はスメルジャコフであり、それをそそのかしたのは自分であると喚きだすと、カチェリーナが一転、父を殺すと書いたドミートリイの手紙を示して、ドミートリイが犯人だと喚きだす。法廷内を感動させた名弁護士の最終弁論も及ばず、ドミートリイは有罪、シベリア流刑懲役20年を言い渡される。, 判決が出た後の登場人物それぞれの様相。病床に臥したイヴァンは、自分にもしものことがあったらカチェリーナがドミートリイの脱獄を助けてほしいと言い残す。少年イリューシャの葬式で少年コーリャは尊敬するアレクセイに、ドミートリイのように何かのために犠牲になって生きたいと語る。, 作者自身による前書きにもあるとおり、当初の構想では、この小説は、それぞれ独立したものとしても読める二部によって構成されるものであった。しかし、作者の死によって、第二部(第一部の13年後の物語)は書かれることなく中絶した。続編に関しては、創作ノートなどの資料がほとんど残っておらず、友人や知人に宛てた手紙に、物語のわずかな断片が記されているのみである。ドストエフスキー本人は、続編執筆への意欲を手紙に書き表していたが、その3日後に病に倒れた。残された知人宛への手紙では、「リーザとの愛に疲れたアリョーシャがテロリストとなり、テロ事件の嫌疑をかけられて、絞首台へのぼる」というようなあらすじが記されてあったらしいが、異説も出されている。この説を裏付ける要素として、ドストエフスキーが序文で、アリョーシャを本編から受ける印象とは全く異なる「奇人とも呼べる変わり者の活動家」と評していることが挙げられる。, この評は、1866年4月4日に起きた皇帝アレクサンドル2世暗殺未遂事件の犯人ドミトリイ・カラコーゾフ(ロシア語版、英語版)に一致する。革命家ピョートル・クロポトキンは、拷問を受けた体で絞首台に上ろうとするカラコーゾフの凄惨な姿を、現場に居合わせた知人からの伝聞として回想録の中で強い印象をもって記している[4]。カラコーゾフは、出版直後のニコライ・チェルヌイシェフスキーの長編小説「何をなすべきか(ロシア語版、英語版)」の影響を受けていた。この事件は「ヴ・ナロード運動」の先駆「土地と自由(ロシア語版、英語版)」に影響を与え、ピョートル・ラヴロフらの機関紙『前進 Вперёд』の宣伝で勢力を拡大し、1879年に組織化されて「人民の意志」が結成されると、1881年3月13日に党員イグナツィ・フリニェヴィエツキ(英語版)によって、アレクサンドル2世は暗殺された。, エピグラフで用いられている福音書の「一粒の麦」の喩えは、カラコーゾフがロシア革命運動で果たした役割を暗示するとも読める。シベリア抑留による「改心」によってドストエフスキーに長く貼られて来た「反動的作家」という一方的なレッテルは、晩年、自らをニヒリズム運動を主導した革命家ネチャーエフの亜流と称している点も併せて、一考察の余地があるかも知れない。, 一方で、亀山郁夫もその著書『「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する』の中で、アレクセイにその将来を心配されたコーリャ少年が成人して思想家的テロリストとなり、皇帝暗殺を謀り、その嫌疑をアレクセイが受けるというものではないかと推測している。, いずれにせよ、実際に書かれることのなかった続編の内容を我々が知ることは永遠に不可能である。それでも、20世紀の日本を代表する文芸評論家の小林秀雄もこの小説を「およそ続編というようなものがまったく考えられぬほど完璧な作品」と評している。, ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインも第一次世界大戦従軍時の数少ない私物の一つが本書であり「最低でも50回は精読した」と言っている。また、村上春樹は「これまでの人生で巡り合った最も重要な本の3冊」として、F・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』とレイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』と並んで本書を挙げている。さらに、東京大学の教員を対象に行われたアンケートでは、全ての分野の本の中で『カラマーゾフの兄弟』が「新入生に読ませたい本」の1位に選ばれてもいる。, 2006年から2007年にかけては、新訳(亀山郁夫訳)が古典文学としては異例のベストセラーになった[5]。ただし、亀山のこれについてはその後、国際ドストエフスキー学会副会長・木下豊房から、余りに誤訳が多いなどの批判がなされた[6]。2006年には「スターリン論」を「大審問官(ロシア語版、ドイツ語版、英語版)」になぞらえた『大審問官スターリン』が出版された。, フョードル・ドストエフスキーの作品は、正教会側からも高く評価されるものであり、時には「正教の神髄の代弁」とまで評される。特に『カラマーゾフの兄弟』については、正教会における人間の救いについての基本的な考えが一応網羅されているとされる[7]。, 長老ゾシマのモデルが長老アンブロシイ(英語版)、およびザドンスクのティーホンであるとされるほか、「神の像と肖」といった概念や、「永遠の記憶」といった永眠者のための祈りなどの文言が、作品にも盛り込まれている。, 何度も映画化・テレビドラマ化されている。そのうち日本で劇場公開された記録や日本で放送される予定のテレビドラマ化のあるものを以下に記す。, 貧しき人びと - 分身 - ネートチカ・ネズワーノワ - 伯父様の夢 - ステパンチコヴォ村とその住人 - 虐げられた人びと - 死の家の記録 - 地下室の手記 - 罪と罰 - 賭博者 - 白痴 - 永遠の夫 - 悪霊 - 未成年 - カラマーゾフの兄弟, プロハルチン氏 - 九通の手紙にもられた小説 - 家主の妻 - 嫉妬ぶかい夫 - 弱い心 - ポルズンコフ - 世なれた男の話 - クリスマス・ツリーと結婚式 - 白夜 - 小英雄 - いまわしい話 - 鰐 - ボボーク - キリストのもみの木祭りに行った男の子 - やさしい女 - 百姓マレイ - おかしな人間の夢, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=カラマーゾフの兄弟&oldid=82650705, バラエティアートワークス『カラマーゾフの兄弟』〈まんがで読破シリーズ〉イースト・プレス、2008年。, 岩下博美『カラマーゾフの兄弟』〈マンガで読む名作シリーズ〉日本文芸社、2010年。. フョードルの私生児。カラマーゾフ家の使用人で料理番。てんかんの発作を抱えている。, 同じ人物でもあだ名が多く登場するため読みにくさを感じるかもしれませんが、 『カラマーゾフの兄弟』(カラマーゾフのきょうだい)は、2013年 1月12日から3月23日までフジテレビ系列「土ドラ」枠(23:10 - 23:55、jst)で放送された日本のテレビドラマ。 三男。イワンと同じく、フョードルと後妻の子。心優しく真面目な修道僧。本作の主人公にあたる。, スメルジャコフ